登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

夜叉神(やしゃじん)ヒュッテ

南アルプス 夜叉神ヒュッテ – 夜叉神峠登山口 宿泊・お食事・お風呂 tel:080-2182-2992

甲府から北岳の登山口「広河原」へ向かう途中に「夜叉神峠登山口」というバス停があります。

ここで下車する登山者は、ほとんどいません。

この先にゲートがあって一般車は入れないのですが、夜叉神峠登山口には駐車場があり、車利用の登山者が多いのだと思います。

この季節、バスは2時間に1本のため下山のタイミングが限られますが、車なら自由ですもんね。

 

これまで何度も鳳凰三山には登ってきましたが、夜叉神峠ヒュッテに泊まったことはありませんでした。

早朝のバスがない日でも、9時のバスに乗れれば夜叉神峠登山口への到着は10時過ぎ。

南御室(みなみおむろ)小屋へは5時間ほどなので、ギリギリでしょうか。

南御室小屋の先、薬師岳小屋へは青木鉱泉から登ればずっと近いのですが、私は「夜叉神峠」という響きも、この道も好きなので、毎回このルートです。

今回、到着日は雨の予報もあったので、夜叉神峠登山口まで移動するだけにしました。

登山口に泊まる、って贅沢~。

「このバスに絶対乗らなきゃ」など「~~しなきゃ」がなく、自分の好きなタイミングで歩きだせるのもいい。

ピストンにするならば、下山後のお風呂セットなど、登山に不要なものを預かってくださるので、ザックが軽くなります。

 

きれいな館内。

相部屋ではなく、グループごとです。

私はひとりなので、割増料金プラス1000円。

部屋に入ったら暖房がついていました。

ここは標高1380m。

そうか、そういうものなのか。

ひとりになった瞬間、オフ。

もったいない。

暑い!

窓を開ける。

 

鳳凰三山のときは、これから夜叉神ヒュッテに前泊しよう。

電話で直接予約をオススメします。

ルートの確認、登山道情報もいただけます。

北岳へ登るときも、車の場合、芦安でなくてここに泊まれば車をとめたままでいいそうです。

乗り合いタクシーを予約してくれるので、翌朝もラクチンです。

運賃は、バスより200円ほど高い程度だそうです。

ザックは車の後ろのスペースに積んでくれるし、座席も確保されている。

バスでは膝の上ですからね。

早朝から、甲府駅のロータリーに並ばなくていいんだ!

あ、でも北岳で車じゃないなら、広河原山荘まで行っちゃえばいいのか。

ただ、広河原山荘はきれいになって、かなりお値段がアップしたらしく、夜叉神ヒュッテの宿泊と乗り合いタクシー料金を足した金額よりも高いそうです。

まぁ、でも出発時間の自由度を考えれば、私は広河原山荘まで行きます。

 

そして、薬師岳小屋に泊まるときは、小屋ではなく、麓に電話して予約することにする!

携帯がこれほどつながらないとなると、予定がたてられないもん。

 

夜叉神ヒュッテのご主人とお話して、白鳳峠を経て広河原に下山するのはやめました。

今年、ハイマツが登山道を塞ぐほど生い茂っていて、藪こぎのような状態が続くそうです。

それはイヤ。

道なき道を突き進みたいタイプではないので…

スリルも求めません。

それに、急な下り坂だしな〜。

やーめっぴ。

昔歩いたとき、ひとつ早いバスに乗れちゃうんじゃないか、と少し急いでいました。

ぽーんぽーんと調子よく石を飛び移っていて、コケて肋骨を折ったガレ場。

今回はちゃんと歩いて、そんな自分を懐かしもうと思ったけれど、もう行けないのかなぁ。

いいこと教えてもらえた。

昔も、足元の道が見えている程度だったから、そこが完全にハイマツで隠されちゃったんだろうな。

湧き水のお風呂で、ゆっくりつかります。

気持ちいい〜。

シャンプーもありました。

もしかしたらダメかも、と思ったので朝シャンしてきました。

 

お風呂上がりには、冷たい麦茶と和菓子のおやつ。

 

下山後の着替えやサンダル、ガスカートリッジなども置いてっちゃお。

南御室小屋は夕食つけたし、お湯は買う。

 

地図を見て、ルートを再考。

明日、南御室小屋に荷物を置いて、薬師岳観音岳地蔵岳を往復して、南御室小屋へ戻ると…

地図どおりならば18時前になっちゃう。

たぶん、そんなにかからないけれど、地蔵岳往復するなんて歩き方をしたことがないからなぁ。

 

朝ごはんをやめて、お弁当にしてもらって早く出よう。

ご相談にいくと、朝と昼のお弁当を作ってくださると。

朝は部屋で食べていっていい、とのこと。

ありがとうございます〜。

 

ここが登山口です。

4時に出発

9時過ぎ 南御室小屋

荷物置いたり、休憩したり、南アルプス天然水を飲んだりする

12時 薬師岳
14時 地蔵岳
17時 南御室小屋

う〜ん、やっぱりこれじゃ遅い。

イムリミットを決めておこう。

この時間にここまで行けてなければ引き返す、っていう地点をいくつか。

薬師岳小屋に泊まれば、夕陽も見られるのになー。

 

これまで山小屋でくつろぐとき、行動着が濡れて乾かなかったときのために、山を歩けるような素材のものをはいていたのだけれど、汗拭きシートで拭いてもなんとなくチクチクペッタリして、前々回くらいから、小さな湿疹ができるようになってしまいました。

痒くて気になるから、今回から綿麻素材のパジャマのようなものをはくようになったのですが、柔らかくて快適です。

寒いときはウールのタイツを重ねます。

ポリエステルは汚れを吸着する性質があるのも関係しているのかなぁ?

ポリエステルの臭いが気になる!落ちない原因、対策方法を紹介

 

昨日までの計画からコロコロ変わってしまったけれど、これでよかった! こうしてよかった! と思える登山にしよう。

 

いつもは、バスで通るだけのゲート。

ちょっと興味があります。

ゲートを守るおじちゃんとおしゃべりしました。

寒いだろうなぁ、じっとしてるの。

2019年の台風で崩落して通行止めになっている北沢峠への道は、まだまだダメだろうって。

こんなに工事がつまっているので、2年以内は復旧しないとのこと。

「長野側から行くか、鳳凰三山からまわるか、ですかね〜?」

と聞いてみると、鳳凰三山からの道は最近の雨で登山道がかなり崩れてしまったらしく、行かない方がいいよ、と。

鳳凰三山甲斐駒ヶ岳花崗岩だから、ポロッポロなんですよね。

甲斐駒ヶ岳|地質で語る百名山

 

夜叉神峠登山口は、docomoしかつながりません。

明日の山の天気予報を見るために、電波を探しに。

300mほど下って、街が見えるとつながります。

 

夜ごはん。

いっぺんに撮りきれないくらい、品数たくさん。

 

3時前に起きて、ひとつめのお弁当をいただきます。

鶏そぼろメシ。

うまー。

 

もうひとつのお弁当は、おにぎりでした。

歩行時間が長いので、歩きながら食べられるおにぎりを残します。

 

4時、暗闇を出発です。

続きます。