登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

はじめての富士山 その2

昨日の続きです…

 

富士山みはらし ~ 富士スバルライン五合目・富士登山者の休憩・宿泊所

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吉田口には仮眠をとれる施設が2つあります。

確か台風でのキャンセルは直前でも無料でできたはずですが、予約時に確認してくださいね。

 

高速バスで5合目に到着したら、仕事でお疲れかもしれませんが1時間ほど星空を眺めたり、夜食を食べたりしてのんびりしてください。

ここ5合目で、すでに標高が2500メートルほどあるんです。

バスでぐんぐん登ってきた場合、体調や体質にもよりますが高山病の症状が出てしまうこともあるくらいの標高です。

すぐ横になって眠ってしまうと呼吸が浅くなり、症状が重くなることもあります。

標高2500メートルに体を慣らしましょう。

どうせなら元気に歩き通したいじゃないですか!

 

この時間を利用して、忘れ物がないかも最終確認しておきましょう。登る直前に慌てなくていいように。

ザックの詰め方も見直して、レインウェアなどはサッと取り出せるように入れたり、食べ物や飲み物の確認も。

忘れ物が靴下や飲み物くらいでしたら売店で手に入ることもありますが、あって当たり前ではありません。

高速バスに乗る前に、疲れていても食べれば歩く活力になりそうな、好きなおやつ(カロリーは気にしなくていいんですよ、山では!)とおにぎりやパンを準備しておきます。

どんなに疲れても喉を通るものがいいですよ。好きなものがいちばん!

干し梅など塩分補給できるものは持ってほしいです。

 

徹夜はせずに必ず仮眠はとりましょう。

3~5時間は眠れるはずです。

翌日歩く格好で布団に入ります。

パジャマを持ってきてる人はいないと思いますが…衣類はかさばるし、重いです。

 

ワクワクしすぎて眠れなくても横になっていましょう。

  

 

 

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夏はもちろん茶色の山です

3時くらいに5合目を出発すればすいている6合目あたりで、ゆっくり雲海から太陽が出てくるのを待つことができます。

周りの人と喜びを分かち合えるのもいいですが、静かな日の出もいいものです。

 

2時30分くらいに目を覚まし、ゆっくり起きます。

お腹がすいている方は、おにぎり1つくらい食べておきましょう。

私は歩くだけなので準備運動は不要だと思っているのですが、心配な方は体の負担にならない(いきなりアキレス腱をのばしたりすると寝起きの体がビックリしてしまいます)ようなゆっくりとしたストレッチを外で行います。

しばらく歩いて体が暖まってきて、それでも心配なようでしたら念入りに体操をしてもいいと思います。 

 

最初はゆるやかな道です。

ウォーミングアップのつもりで、意識してゆっくりと。

同行者がいるならおしゃべりをしながら歩けるペースを守りましょう。

この速さが一番疲れない歩き方なんですよ。

https://www.海山香月.net/entry/2019/01/19/筋肉痛の正解と、正しい歩き方

山を歩くのが初めての方は参考になさってください。

山と街では歩き方が違います。

最初はうまくできなくても意識するだけで違うと思います。

 

吉田口からの登山道(他の登山口からと比べるとかなり多いです)を歩くとお気づきになると思いますが、山小屋の数が本当に多いのです。

ザックでいちばん重いのは水分ですよね?

お金を出しさえすれば山小屋で買えるのです。

完全に飲み切る前に、ちゃんと補充してくださいね。

標高が上がるのに比例して、金額もアップしていくのは当然です。

運ぶ労力がかかっていますから。

体力に自信がない方はそれでも買う価値があると思います。

ザックの重さに疲れて歩けなくなってしまうよりずっといい。

ぬるいポカリより冷えたポカリの方が断然おいしいし。

天候によっても水分の消費量は全く違います。


頂上がゴールではありません。

富士山は全部ではないですが、一方通行の箇所があります。

下山道を歩くのはもちろんですが、分岐を見落として違う登山口へ下っていかないようにしましょう。

おしゃべりに夢中になるとやらかす失敗です。

 

持ち物と服装については明日…

はじめての富士山 その1

初めての登山が富士山だった、という方は多いと思います。

日本で育ったなら、あの美しい形の山を知らない方はいないでしょう。

視界に入れば必ず「あ!富士山!!」となぜか声を上げちゃいますもんね。

  

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手をあわせたくなる美しさです

 

「富士山に登ってみたい!」

「前回は登れなかったから、今年こそ!」

という方の計画の参考になれば嬉しいです。

これからご紹介する日程で、初めて長い時間をかけて山に登る(その前に高尾山を一緒に歩いてはみましたが)人たちと何回も登り、全員無事に歩き通せています。


適している期間はとても短く、何万人もが約2ヶ月の間にあの頂を目指します。

梅雨明けから8月いっぱいがオススメです。

事前にお調べいただきたいですが、9月になると営業しない山小屋もあります。

飲料などを補給できなくなる場合も。


天候にもよりますが、連休や週末を外せるなら外しましょう。

日曜日から登り始めるだけでも多少すいています。


雷が近づいてきたら、近くの山小屋へ急いでください。

山では自分が避雷針です。

  

弾丸登山は、オススメしません。

若くノリで登るのも確かに楽しいかもしれません。

登れなかったとしても、クタクタになりやっとのことで登れたとしても、それはそれでいい思い出になるでしょう。

「あのとき若かったよねー」

弾丸登山のメリットを考えてみましたが、それくらいしか思い浮かばないのです。

 

富士山に限っては、夜中でも真っ暗にはなりません(富士山と同じつもりで他の山に夜中登ろうとして、闇の中で1歩も動けなくなっている人に何度か声をかけたことがあります。ヘッドランプすら持っていないとは…「富士山は明るかったんですよ」と)。

弾丸登山の場合、アクセスしやすい吉田口からが多いかと思われます。

 

吉田口から歩くのであれば、繁華街のように明るくはありませんが、完全な闇の中を頼りないヘッドランプの灯りだけで歩く心配はしなくていいと思います。

7月の山開きのあとなら、高速道路上からもはっきりと視認できるくらいに、ヘッドランプの光の帯が連なります。

富士山は2ヶ月ほどの間に約20万人もが登る山です。

山頂でご来光を見たい方が多いため、8合目くらいから自分のペースで歩けるはずもなく、真夜中の渋滞が始まります。

太陽の暖かさがない上、そこは標高3000メートル以上…渋滞待ちをするには寒いですよ~。

 

 

ここからは弾丸登山でなく、高山病を予防しながら自分のペースでてっぺんまで登りたい! ご来光も見たい!という方へ向けてお伝えしたいです。

吉田口から登り始めれば、登山道は東向きにジグザグにつけられていますから、どこからでもご来光は見ることができるのです。

 

吉田口から登るメリットは他にもあり、5合目までの直通バスが出ていること。

朝、新宿駅のコインロッカーにザックを預けておき、仕事帰り(残業はお断りしましょう)にバスタ新宿から高速バスに乗ってうとうとしていれば5合目に着いています。

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富士山の山開きは残雪の程度によりますし、いくつかある登山口でも異なりますが大体7月1日からです。

それから1週間ほどは登山をオススメしません。

7月上旬は梅雨の真っ最中ですよね?

山開きして1週間後に天気を確認して登ったことがありますが、それでも大粒の雹に体をたたかれ痛かったです。突風も吹き大変でした。

せっかく素晴らしい景色を楽しみに行くのです。

梅雨明けして、天候が落ち着いてからでもいいのでは?

雷が鳴ったら近くの小屋へ駆け込みましょう。

山では自分が避雷針です。

 

登山シーズンになればバスの本数も増えます。

夕方以降に乗車できる便が便利ですので上記のHPでご確認の上、計画を立ててくださいね。

これなら弾丸登山と同じで1日で登れます。

 

続きは明日…


コースタイム

私は目的地に12~13時に到着するように計画を立てています。

何かあっても日没まで余裕があります。

余裕があるというのは本当に大事で、余裕がないからこそ焦りがうまれ正しい判断ができないことが多くなると思っています。

 

もっと速く歩けるけれど、あえてゆっくりめの計画にすることで景色をたっぷり楽しめるし、気持ちに余裕ができます。

そして計画より1~2時間早くなれば山頂でお昼寝(私の場合は、山頂でのお昼寝のために休憩時間をけっこう長くとるように、最初から計画しています)をしたり、私は1人で歩いているからこそかもしれませんが、数年かけて自分の理想の山歩きができるようになりました。

 

ガイドブックや地図のコースタイムは目安です。

そのコースタイムで歩けなければダメなわけではありません。

人は人、自分は自分です。

山歩きを始めたばかりでペースがつかみにくいなら「これくらいで歩ければいいのか」という程度の目標にしておけばいいのです。

 

速く遠くまで歩くことを競うものではありませんし、重いザックを背負って歩く人が偉いわけでもありません。

自分の体力・経験を知り、自分で計画を立てることができ(誰かと行くにしても、自分でも計画を立ててみましょう)ればいいのです。

下りが苦手なら、下りにかかる時間をコースタイムの2倍に想定していればいいのです。

みんな、それぞれの山での楽しみ方があり、それぞれの歩く時間で安全に歩ければいいんですよね。

楽しく無事に次の目的地へ着き、最終的に下山できればいいのですから。

その時間が、自分が立てた計画からよほど遅くならなければ上出来です。

 

「この山に登った」という記録のために登るのではなく、「この山に登ってこんなに楽しかった」と思えるために登るのだと思います。

ガスで真っ白け~で何も見えないとき、通過するなら山頂を通ることになりますが、展望を楽しむために登るなら早朝(1日の天気が同じなら、やはり雲が上がってこない早朝がいいことが多いです)にそこにいられるように計画を立てればいいのです。

  

自分が立てた計画通りにきっちり歩かなくてはいけないわけではありませんが、目的地への到着時刻は大体でいいので守れるといいと思います。

普通に歩いて計画どおり下山できるようになったとき、「山を歩くのに少しは慣れてきたんだな」と嬉しくなりました。

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視力回復手術ICL(眼内レンズ挿入術)を受けました

小学2年生のとき、薄暗い押し入れでドラえもんの漫画を読破したことが原因で、視力が0.1になり眼鏡生活が始まりました。

「眼鏡のレンズが分厚くてかっこ悪いからイヤ!」と、中学生でコンタクトレンズに。

埃では死なない、が持論のためコンタクトレンズの洗浄も大雑把。

汚いレンズを装着したことで目に炎症が起きて何度も眼科に駆け込み、怖い先生(怖いけれどいつも学校に行く前に寄れるように、と8時前から診察をしてくれていたのです。先生、ありがとう)に怒られてばかりいました。

高校生になり、ソフトボール部に。

下手くそだったため顔面に打球を受け、もちろん目にも。

充血では済まない事態にもなったことが何度もありました。

その頃からハードレンズを装着すると強い痛みを感じるようになり、ソフトレンズに。

ハードレンズ以上に洗浄が面倒で、すぐにワンデー(割高…だけれど面倒臭さには勝てませんでした。目の健康もありますし→言い訳)にしました。

 

それから20年以上、眼鏡とコンタクトレンズの併用を続けてきました。

眼鏡での運動(登山を含めて)は遠近感がつかめず、怖いのでできません。

技術の進歩で眼鏡のレンズも以前より薄くなりましたが、なにせ視力がとても悪いので初対面の人に「眼鏡、分厚いねー」と言われてばかり。

 

28歳くらいだったと思います。

その頃、レーシック手術が話題になりました。

張り切って検査に向かいましたが

「角膜が薄すぎるし、視力が悪すぎて手術はできません」

ガックリ。

角膜を削って残す厚さよりすでに薄いらしく、削る余地がないので視力が悪すぎなかったとしても手術はできなかったとのこと。

角膜が薄いのは遺伝であることが多いそうです。

妹も同じ理由でできませんでした。

 

でも、そのときの医師が

「違う方法が今、研究されているから10年後くらいにもう一度調べてみたら?」

と教えてくれました。

最近になってそれを唐突に思い出し、いくつかある術式を比べて新宿の「近視クリニック」で眼内レンズ挿入術を受けました。

目の老化のため、この手術は45歳くらいまでだそうです。

 

手術中に痛みは感じず、以下のような少しの不快感で済みました。

例えるなら、綿棒のような柔らかいもので黒目を押されている感じ。

これは黒目の際を切ってレンズを挿入し、レンズの位置を調整しているときに感じました。

あとは横を向いて目を洗浄するときに少し刺激を感じたくらい。

 

レーシック手術の検査のときに、目に針を刺されたことを思えば全然怖くなかった。

麻酔がかかっているから痛くないのは分かっているのに、近づいてくる針に焦点が合ったときの怖さったら…忘れられません。

麻酔などもほとんどが点眼で済みますし、進歩はすごいですね。

 

手術後は翌日、翌々日と検査を受けます。

抗生物質を3日分と痛み止めをいただきました。

痛み止めは私には不要でした。

1日4回、3~4種類の目薬をそれぞれ5分以上あけて点眼するのがちょっと大変。仕事していると、ひとつめの目薬をさしてから30分以上たっていることもあり…。

あとは洗髪のときに目に入らないように、とか洗顔は一週間後(今は拭き取りシートがますから大丈夫)とか、目の周りの化粧は一週間後(だったかな…しないのでどうでもいいやと覚えていません)とか、思いつくような不都合くらいしかないので、手術を受けるのをためらることはありません!!

 

眼を保護するため、透明のプラスチックの眼帯を一週間、毎晩紙テープでくっつけたのですがその顔が笑える。顔にふたつ白いバッテンがあるんですもん。

手術の翌朝、パチッと目が覚めてプラスチック眼帯を取り去り、ゆっくりと目をあけました。

見える…本当に見える…不思議。

コンタクトレンズをしたまま眠ってしまったようだ。でも不快な貼り付き感はないし、痛みもない。

習慣で枕元の眼鏡を探してしまうかと思ったけれど、寝ぼけることなく、周りをキョロキョロ。

視界良好! 朝から静かに感激していました。

 

料金は73万円ほど。

両方とも乱視ですが、度が強い右目だけ乱視のレンズにしたのでプラス5万円(レンズの取り寄せに2~3週間ほどかかりました)。

高いです、確かに(レーシック手術はもっと安いです)。

年齢を考えればすぐ老眼になってしまうかもしれない。

でも、してよかったと思います。

私は黒目が小さいため、コンタクトレンズが目にかける負担が大きいらしく、いつも白目が充血していました。それもなくなりました。

 

今は両目とも1.5です(2~3日は見え方が落ち着きませんでしたし、今でも少し眩しさというか、光の周りに輪っかが見えます)。

信じられない。

これから山にも海にも旅行にも、コンタクトレンズと眼鏡を持って行かなくていいんだ!

温泉の段差で転ぶこともない!

バスや電車でうたた寝ができる!

好きな山 ベスト5

まだまだ全国の山を登っていないのに、知らない山にも登ってみたいのに、何度も通ってしまう山がいくつかあります。

これからもっとたくさん登っていけば、順位も変わるでしょう。

東北や九州の山も1週間、いやもうちょっと長い時間をかけて登ってみたいなぁ。

 

1位:北アルプス 笠ヶ岳

2位:北アルプス 三俣蓮華岳

3位:南アルプス 鳳凰三山地蔵岳

4位:南アルプス 間ノ岳

5位:北アルプス 黒部五郎岳

 

笠ヶ岳は遠くから見ても分かります。

よく笠をかぶせたような、という形容詞がつくのですが私には甘食(パン)に見えています。

風が強いのですが、気持ちいのでつい長居をしてしまう山頂です。

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右奥が笠ヶ岳です。この道サイコウ!


三俣蓮華岳の山頂はそんなに広くないのですが、おとなりの鷲羽岳の眺めや岐阜県と長野県と富山県の県境がここに…と思うと、なんだか嬉しくて。

何が嬉しいのか分かりませんが、普段は県境なんて、車で走っていて頭上に「神奈川県」などとあるのをを見るくらいで強く意識しないのに、ここにはひしめき合っている三角点があるおかげで主張してくるんですよ。

平坦な道路ではなく、こんな高い場所に県境?

そう決めたのもすごいなぁ、なんて思いながら昼寝をしているのです。

体がすっぽりとおさまる好きな隙間がありまして。

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どれが何県の?

 

地蔵岳は、大切なものをもっともっと大切にしようと思える場所です。

たくさん並ぶお地蔵さま、誰がいつどんな思いでここまで…と考えるのです。

オベリスクが合掌しているように見えることもあり、静かな気持ちになります。

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ここに来ると2~3時間、ぼぉっとしています

 

間ノ岳のだだっぴろい山頂が本当に好きです。

どこに座ろうか迷う。

そして正面には富士山。

富士山と1対1で見つめあっているような気持になります。

ここで好きな本を読みながら、顔を上げると富士山。

贅沢なくつろぎの場所です。

こんなにステキな場所なのに、素通りする人ばかりなのが残念でなりません。

おとなりの北岳にはいつも人がいっぱいなのに。

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気持ちい~

 

黒部五郎岳は、絵のような完成された風景だなと思います。

山の地形の美しさを毎回楽しみにしています。

山頂は狭いのですが、不思議なことに誰かとかち合ったことがなく、いつも独占状態。

8時までに到着するのがおススメです。

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美しいです…