登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

北アルプス 室堂から薬師岳へ その5

昨晩も目が覚めるたびに外に出て、満天の星、天の川を眺めて眠りにつくというのを繰り返しました。
なんせ19時過ぎには布団に入ってしまうのです。
いつもより3時間以上、多く眠れます。
体が疲れているのでぐぅーっと深く眠るのか、3~4時間で一度パチっと起きます。

素晴らしい星空でした。
山で海で、何度も満天の星空をみているのに、毎回感激します。


さぁ、残るは今日だけ。
無事に元気に下山するだけです。
今日もいい天気。

今回は山で3泊過ごしましたが、立地的に雲海から昇るご来光は見えません。
今日は山から登る日の出を堪能しようと思います。

朝食を食べ、トイレを必ず済ませて出発。
朝イチにトイレに行った後、必ずもう一度行けてから出発します。
体内に水分が巡り始めたという合図だと聞いたことがあるので。
それに行きたくなっても、すぐにトイレはありませんから。

柔らかな光。
今回もいい景色をたくさん見ることができました。
大満足。

ここ薬師岳のカール地形は、日本アルプスの中で最もその形態が見事な氷河遺跡だそうです。
説明の石板、ハイマツに埋もれてるし。

この日は5:41に日の出ということでしたが、その時間には山に隠れて見えません。
折立方面へ5分ほど下ったところで待つ予定でした。
トイレを済ませ、小屋を出発したのが6:25。
思ったより遅くなっちゃったな、見れないかな、と思ったのですが間に合いました。

ダイヤモンド薬師岳 東南稜

薬師平テント場、太郎平小屋をまずは目指します。

やはり木道は凍っていますが…

つるっつる

テント場を過ぎれば、いい道~♪
ずっと歩いていたい。
ここから離れがたいです。
だってすごく気持ちがいい。

太郎平小屋を過ぎれば、前方に日本海、右には剱岳の絶景をのぞみながらの下山となります。
雲ひとつない青空。

金曜日だからでしょうか。
前からは50人以上が登ってきます。
山に登るみんながいい景色を見ることができますように。

この道、何年か前に歩いたのに記憶にないんだよなぁ。

この二股を薬師沢方面へ歩いたんですけどね…。
太郎平小屋直下のなが~い階段を炎天下の中、登った記憶がうっすらあるだけ。

たった3時間前に出発した薬師岳山荘が、あんなに遠い。
1歩ってすごいなぁ。
いつも思います。

アラレちゃんの看板だけ覚えていたのですが、今回は見つけられず「ないのかなぁ」と思っていたら…あったそうです。
前回はこの道を登りに使ったので見やすかったのですが、下りだと振り返られないと見つけられないそう。
なんか、くやしいなぁ。

薬師岳山荘を出発して4時間半。
登山口の折立に到着しました。
「あ…、ついちゃった」
とぽかんとします。
下りが苦手なので早く終わってほしいと思う反面、山歩きは終わってほしくない。

折立のトイレ、きれいなんですけど天井にコウモリがいっぱいいた…。
バスの出発を2時間弱待ちます。
途中、ドライブインで休憩(ここでお土産を買えます)をして、富山駅まで連れて行ってくれます。
20分後に出る新幹線があったので、お腹がすいていましたが券売機へダッシュ
ホームで鱒ずしを買い、ギリギリ乗れました。
100円ショップのビーサンダッシュ(登山が終わればすぐに履き替えます)したものだから、足がヒリヒリ。
鱒ずしを6口で食べ終え、東京駅まで眠りました。

あぁ、お給料の手取りの半分を使ってしまった…
でもいいの。
楽しかったなぁ。
有給をとった日と、いい天気が重なるなんて本当に幸せ!

山から帰った翌日、仕事中も思い出してニマニマしてしまいました。
五色ヶ原の朝の風景が今回のいちばん!

北アルプス 薬師岳山荘

薬師岳の山頂から小屋は見えます。

薬師岳山荘 | 薬師岳の山小屋から登山の情報を発信します

標高を200mほど下げれば到着。

きれいな小屋だなぁ!

10年ほど前にきれいにしたそうです。

どこかのお宅の玄関みたい。

山ということを一瞬忘れそうです。

 

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泊まりの手続きをしていると、温かいお茶をいただきました。

水が貴重な稜線で、ありがたい。

悪天候の中着いたときなら、本当に暖まるでしょうね。

 

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部屋もきれい。

ザックを置いて、アルファ米でお腹を満たしてから、デザートに白玉あんみつをいただくことにしました。

ここは甘味で有名な小屋とのこと。

確かに、何日も歩いているとフルーツを食べたくなる。

真夏ならなおさらでしょう。

 

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あんみつの先には薬師岳

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外の気温は10℃ほどですが、小屋の中はストーブがついておりぽっかぽかです。

青竹踏みがあったので「なつかしい~」とやっていたら汗が出てきました。

これは脚のだるさにききますね。

最近売ってるの見ないけど、欲しいかも。

 

ふと耳をさわると痛い!

左腕が痒くて、ちょっとかいたら痛い!

ずっと太陽を左からあびていたため、すごく焼けていました。

またやってしまった…。

もうこの気温ですからあまり汗はかかないだろうと、顔は日焼け止めを塗ったのですが、腕・耳・うなじは忘れていました。

帰ってからも数日は痛くて、お風呂に腕を入れられませんでした。

 

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そっと触れると、思ったより毛は柔らかでした

見たかったツキノワグマがこんなところに。

外に出てぼんやりしたり、手ぬぐいを買ったり、夕食までのんびり過ごします。

 

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山座同定が苦手な私にとっては、ありがたい。

登った山がたくさん。

 

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ケチャップで、やくし!

山小屋で働いたときに、素泊まりよりも食事をつけてくれた方が山小屋にとってずっといい、と聞いたので、それ以来できるだけそうするようにしています。

手がかかっているごはん、ありがたくいただきます!

 

夕食後、外に出て日没を待ちます。

残念ながら、雲が出てしまいました。

それでも雲の切れ間から夕陽の残像が見えて、いい夕暮れを過ごせました。

 

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携帯の電波はドコモだけのように書かれていましたが、街の灯りがくっきり見えだすようになった19時過ぎ頃から、他のキャリアでも通話は可能でした。

雲が出ていたりすると難しいかもしれません。

ドコモはやっぱり強いですね。

ただ、昨夜泊まったスゴ乗越小屋はどれもダメでした。

つながれば写真を送ったりしたいのですが、つながらなければそれはそれでいい。

山にいるんだから、つながらない時間を過ごせばいいんですよね。

 

夜中は風の向きによってなのか、小屋全体が少々ガタゴト鳴ります。

その音をBGMに眠ります。

何度も目が覚めて、外に出て満天の星を眺めては、再び眠りにつきます。

 

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朝食はこんな感じ。

鮭+ご飯が大好きです。

お味噌汁はお替りしましょう。

朝ご飯の時間が

「5時30分から7時の間ならいつでも」

という設定。

薬師岳の山頂でご来光を見てからでいいですよ、という配慮なのでしょう。

こんな山小屋、初めてです。

私は下山後のバスの時間があるので、いただいて、下山中にご来光をみることにします。

 

 

北アルプス 室堂から薬師岳へ その4

先日、母から新聞の切り抜きを渡されました。

山での遭難に関する記事でした。

記事の最後に、山で目立つ色について書かれていました。

水色でした。

山にない色だからだそうです。

確かにそうかも…オレンジや黄色などが目立つと思って、雨具などをその色にしたりしていましたが、山にこれらのカラーはあります。

特に紅葉の季節だと埋もれてしまうでしょう。

そこで、1枚だけ持っていた水色の服を今回は持っていきました。

ミレーのトリロジーシリーズ、明るいパキっとした水色です。

女性用は紺色と朱色しかなかったので、男性用を買いました。

気に入っていて、冬はよく着ています。

 

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今日は冷え込み、半袖では寒かったので朝の30分だけ着て歩きました。

結論は、やはり目立ったようです。

今日も静かに歩きたいので、全員が出発してから30分後に私も出発。

いちばん先に出た、年配の女性に薬師岳山荘で言われました。

「朝、水色の服を着ていたでしょ? どこら辺にいるかな~って振り返るとすぐ分かるくらいに目立つわね」

と言われたので、新聞の記事の話をしました。

「帰ったら水色の服、買う!」

こういう人、好きだなぁ。

 

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昨夜は、満天の星、流れ星、たくさん見ることができました。

今日も快晴!

視界が緑と黄色と青(快晴の空)でいっぱい。

こんないい道をゆっくり歩ける。

我ながらいい計画にしたなぁ…。

絶景すぎて、なかなか先に進めません。

標高2500m以下は、まだ色づき始め。

 

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途中の間山は展望がいいです。

まだアップダウンもなく、緩やかな体に優しい登り。

普段もこんな感じだと息が上がらず、ペースをつかみやすいんだけどなぁ。

2時間かけて、400m標高を上げました。

 

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薬師岳に到着。

絶景〜。

お昼寝タイム。

 

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気持ちのいい道~

 さらに1時間ほどで、薬師岳

そこには薬師如来像が。

おまいりして、のんびりお昼寝を開始しましたが

「おなかすいた」

「トイレ行きたい」

というわけで薬師岳山荘へ向かいます。

 

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昨夜、スゴ乗越小屋で一緒だったご夫婦が

薬師岳直下ですぐそばで熊を見れた」

というのでキョロキョロ探してみたのですが、いなかった。

新鮮なフンや、食べ散らかった松の実もあったけれど…残念!

 

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消化されずに、そのまま出てきます

 平日の特権かもしれませんが、ちょっと周りと時間をずらすだけで、静かな山頂、静かな山歩きを満喫できました。

来週にはあっという間に色づいて、山は冬支度になるんだなぁ。

 

 

北アルプス スゴ乗越小屋

かわいい!

好きだなぁ、この小屋。

 

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こぢんまりとした食堂。落ち着きます

小物などの感じが、南アルプスの南御室(みなみおむろ)小屋と少し似ているかも。

小さく流れている音楽が、雰囲気にマッチしています。

なんだか、落ち着く。

 

スゴ乗越小屋は、9月25日が2019年の営業最終日でした。

北アルプスの秘境、スゴ乗越小屋 スゴ乗越小屋の紹介

現在の各施設の予約状況 | 太郎平小屋グループ

男性スタッフが2名、小屋閉めに向けて解体をしたり忙しそうです。

お断りしてから、写真を撮らせていただきました。

 

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いちばんは雪対策ですよね。

ここも標高はそんなに高くありませんが、冬になれば室内は霜でビッシリになるのでしょうか。

 

玄関も、こんなにかわいらしい…

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食べたくなりますよね!

注文します!

あー、待ち遠しい。

いい香り~。

おなかすいた~。

いつも山ではCCレモンを飲みたくなるのですが、初めてオレンジジュースでした。

下界でも飲まないのに、なぜだろう。

そしてこんなにオレンジジュースをおいしいと思ったこと、多分ない!

 

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ここ、山ですよ?

神保町や下北沢じゃないんですよ?

こんなうまそうなカレーが出てくるとは…。

そしてやっぱりおいしかった。

これは…夕食も相当おいしいのでは?

期待しちゃう。

15時くらいから小屋内を満たすいい匂いに、お腹が鳴りっぱなしでした。

 

昨夜の五色ヶ原山荘の味噌汁にも感謝しましたが…

ここのは、おいしさがケタ違い!

 

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味噌汁、最高!

写真ではネギしか見えていませんが…

中には、なめこやワカメ、野菜がたくさん。

具が数えきれない。

なんておいしいんだろう!

みんな、おかわりしまくっていました。

私もまず1杯、熱いのに飲み干していました。

汗が噴き出ます。

 

この味噌汁のおかげで、手のむくみがとれました。

歩いている最中は、意識して水分をとっているつもりでも、全く足りてないんでしょうね。

足りないとむくむんですよねぇ。

逆のイメージがありますが。

ザックで肩を圧迫しているせいもあるのですが、目的地に着いて水分をとって、トイレにちゃんと行けるようになれば、このむくみは治ります。

 

盛り付けも、なんだかすごい。

センスだなぁ…。

真ん中の鉢はマーボー豆腐なのですが、ずっと漂っていたおいしい匂いの正体はこれです。

今まで食べてきたマーボー豆腐と全く違う。

食べたことない味だけれど、すっごくおいしい!

もっと食べたいよぅ…

 

小屋の裏手から、雲海と夕陽が見られました。

木々で少し遮られてしまいますが、それでも金色に輝く空に見とれました。

夕食後は天の川鑑賞会です。

寒い。

だけどずっと見ていたい。

 

小屋の裏手に置いてあって、なんだろう?と思っていた謎の球体。

夜になって輝き出しました。

昼間、太陽の光を蓄えておいて電灯の代わりにするんですね。

うつる模様が幻想的です。

 

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最近は、夜間でも真っ暗にならない小屋が多くなった気がします。

大歓迎です!

真っ暗だと、夜中にトイレに行く人、早く出発する人の遠慮ないヘッドランプ攻撃にあいます。

どうして寝ている他人の顔を直接照らすのでしょうか…

すんごい眩しいんだけど!

少しは考えてほしい。

だから、あまりしたくないアイマスクをして眠る羽目になります。

喉が痛くなるから、どちらかというとマスクをしたいのに。

けれど、アイマスクとマスクをしたら、顔が全部覆われるじゃないですか。

不気味ですよね。

 

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ランプの影が壁に。

絵のよう。

 

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野口五郎岳あたりから登る太陽を、小屋の前から見ることができます。

朝食もこんなに豪華…

いいのか、こんな満たされてしまって。

 

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出発するときに

「小屋閉めは、いつ終わる予定なのでしょうか」

と聞いたところ、なんと

「明日の朝かなぁ、遅くても昼には太郎平小屋へ向けて下山するつもり」

という答え!

え? 今から1日で全ての作業が終了するの?

そんなに早いのか!

 

今年もおつかれさまでした。

また、この小屋へご飯を食べに行きたい。

 

山に来たはずだけど、そう思いました。

 

北アルプス 室堂から薬師岳へ その3

結局、夜中の2時過ぎまで雨は降り続きました。

曇と雨の差は大きいよ…

しかも豪雨の部類に入る雨でしたけど。

ひとつの予報を信頼するのは、絶対にやめましょう。

希望的観測もやめましょう。

どうしても、自分が願う方を信じてしまいます。

 

そんなわけで、昨日は真っ白な景色しか見ていない五色ヶ原。

朝ご飯を食べて、ゆっくり支度して外に出たら…

息を吸い込んだまま、時がとまりました。

 

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うわぁ…

コーフンして、ザックを背負ったままカメラを手に、木道に飛び乗りました。

つるっ!!

凍ってた…あっぶねー。

慎重に乗り直します。

 

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ずいぶんと日の出が遅くなりました

雲から姿を見せた太陽が、たちまち目の前の景色を黄金色に染めてゆきます。

今日は6時間ほど歩く予定だから、ゆっくり朝を過ごしていました。

いつもは少し明るくなれば、すぐに出発しています。

遅くて良かった…この景色を見ることができてよかった。

いつも思います。

「こんな景色を見せてくれて、ありがとうございます」

何も考えず、想像もせず、ただ目の前の景色をそのまま覚えておきたいといつも思います。

山が見せてくれる景色は、いつだって期待していたより、ずっとずっとすごいから。

 

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太陽が昇りきると、こんな景色。

もう秋ですね。

朝は半袖で歩くとヒンヤリしますが、私にとってはちょうどいい。

 

さて、凍った木道で転倒しないように注意しながら歩きます。

ほんとにこえ~。

途中から、滑り止めの板が打ちつけられているようになりましたが、それまでは傾斜がついていたりすると、つるりーっと滑り「ひゃぁ」と声が出てしまいました。

 

木道が終われば…

あー、ほんとにきもちいい道!

 

あ、この地形はブロッケン現象が出そう。

しばし待ちます。

 

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太陽を背にこういう地形をのぞき込むと、自分の影を虹が囲みます

ハイマツとかぶってしまいましたが、虹が分かりますか?

 

振り返れば歩いてきた道が見える。

 

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周りの人と少しずらして出発するだけで、ずっと1人の静かな山歩きが楽しめます。

今日もアップダウンだなぁ。

どんどん下る。

そして、また登る…

半袖でも汗びっしょりになってきました。

山がいい香りです。

このアロマオイルが欲しい。

 

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青空に真っ白な飛行機雲

 

雲がダイナミックな動きで楽しませてくれます。

 

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そして晴れているのに、ライチョウ

今日は1羽ずつ、合計3羽。

ちょこちょこ道案内をするように、前を歩いていきます。

食べられちゃだめだよ…動きがとろすぎて、ほんと心配になります。

 

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これから歩く道もずっと見えます。

 

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ふわぁ〜っと雲がくるとステキな風景。

 

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さっきからずっと、本日お世話になるスゴ乗越小屋が見えてはいるのですが…着かないなぁ。

また下って、最後の登り。

40分+40分のコースタイム。

ほんとにそんなにかかるの?

ちゃんとかかりました…。

 

この道は、折立から室堂へ北上するルートの方がラクかもしれません。

南下するルートは、下りで全身を使うような場所があり、時間もかかります。

下りが苦手な私だけの感想じゃないですよ!

一緒のコースをたどっていた年配の女性がガイドさんをつけており、その方が言っていたのです。

私は折立と富山駅を結ぶバスの運行日の都合があって、南下するルートをとりましたが、下りが苦手なら折立から登ってきた方がいいかもしれません。

カメラなど、ブラブラするものはこういった道ではザックに収納すると歩きやすいです。

 

今日は、五色ヶ原からスゴ乗越小屋までにしておいて良かったです。

ゆっくり歩いてもこんな時間(お昼前)。

こんな大きな景色の中に、ぽつんとたった1人でいる感覚。

この時間が大好きです。

1人で歩いていて、怖いと思ったことはありません。

とても楽しみな時間です。

私にとって、登山はスポーツではありません。

ただ「この山頂に登った」と通過を記録するために歩いているのではありません。

 

長い時間歩くことができれば、速いスピードで歩くことができれば、確かにたくさんの山頂を踏めると思います。

でも急がず歩くことができれば、周りの景色をいっぱいいっぱい見ることができる。

ただ通り過ぎていくだけより、きっと記憶に残ります。

 

 

私は今回、次の薬師岳山荘まで歩く元気は残っていませんでした。

途中の薬師岳は、ほぼ3000mです。

今は、2270m。

そこまで登り返すんですよ、また。

 

つい2年前までは、10時間以上歩いても元気だったのになぁ。

でも過去は忘れます。

もう「私は10時間歩ける」って思うのはやめて、この先は計画をたてていきます。

 

小屋が近づいてきました。

この瞬間、ほっとします。