登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

北八ヶ岳 その3

引き続き、雲ひとつない快晴。
台風が近づいているんですよね。
そんなことが信じられないくらい、風も穏やかで空気も気持ちいい。

まずは白駒池まで、のんびり下ります。
小屋を出て右に回り込んだ道の方がなだらかとのことなので、もちろんその道で!
急な下り坂は、できるだけ避けたいです。
膝に悪そうですし。

30分ほど下ったら、なんだかガヤガヤ人の声がします。
白駒池の周りは、カメラを構えた人だらけ!
台風前のこの晴天、紅葉を目当てに駐車場は満車でした。
さきほど、高見岩から見ていたときには、正直そんなに期待していなかったのに…ほんとに鮮やかできれいでした。

無風なので、青い水面に紅葉が鏡のようにくっきりとうつっています。
無言で興奮してしまいました。

葉っぱや木の枝も、額縁のように見えませんか?
お気に入りの1枚になりました。

いい景色を求めて池を半周しましたが、人がどんどん増えてきて、木道でのすれ違いにも時間がかかるようになってしまったため、離脱。

白駒池駐車場への道は、まさに苔の森です。
苔の濃い緑に目が癒やされます。
その先の木道が凍っていました。
油断してました…。
20分ほどで麦草峠へ到着。
大して歩いていないのでそのまま道路を渡り、茶臼山へと向かったはずですが…

しばらく苔でいっぱいの、歩きやすくていい道が続きます。
白駒池を見てから、なんだかふわふわしたような、のんびりした気分になっていました。
池の周りの喧騒が嘘のように、ここを歩いているのは私ひとり。

大石峠という分岐があったのですが、茶臼山縞枯山方面ではなく、違う道の先を見てみたくなり、分岐を左へ。
オトギリ平・五辻方面とあります。
「ちょっとだけ…」

登山届で提出したルートと異なるので、ほんとに少しだけのつもりだったのですが、そこに広がるのは秋の色の草っぱらでした。

ここでのんびりしたい。
こんなに気持ちのいいところで過ごさないなんて、もったいない!
昼寝もしたい!

無風なので、半袖で立ち止まっても、太陽でぽっかぽか。
たまに心地よい風が、さぁーっと吹く。
見上げれば雲ひとつない青空。
さぁ、どこで休憩しようかな。
いい場所を求めてウロウロ。

白駒池のほとりの青苔荘で買ったおにぎりが、ふたつザックに入っているのです。
焼き味噌と山椒味噌。
幸せすぎる〜。
こんなステキなところで食べることになるとは!

おいしかった〜。
食べてお昼寝して。
なんだかもういいや、満足しちゃった。

私は、必ずしも山頂に行かなくていいんです。
いくつ登ったか、記録を作っているわけではないですから。
楽しくて無事に帰れればそれでいい。

10月14日まで毎日運行している麦草峠から茅野駅を結ぶバスがあったのを、先ほど麦草峠を通り過ぎたときにチラッと確認していたので、麦草峠へ戻りました。

まだ昼前。
バスまで少し時間があったので、麦草ヒュッテで花豆アイスのデザート。
味はあずきアイスと似ています。

バスで1時間ちょっとで、茅野駅に着きました。
本当は夕方に到着する予定でしたが、ランチに間に合いました。
一昨日、茅野駅に着いたときに「帰る前のご飯はここにしよう」と思っていた「さくらさく」というお店へ。
桜肉、大好き!

カルビがいちばん好きでした。
また茅野駅に来たときには絶対食べる!

高速バスの乗り場まで20分歩きます。
何度も歩いているのに覚えられない…。

山から下りて、駅やサービスエリアでトイレに行くと
「あれ? 紙は便器に流していいんだっけ?」
と一瞬考えます。
使用後の紙は、焼却処分やヘリで下ろす山小屋がほとんど。
水洗はほぼありません。
何度かトイレに行けばそんなこと忘れてしまうのですが、毎日の生活は当たり前じゃないんだと感じます。

秋が深まるにつれて、登る山の標高を下げていきます。
次はどこの山を歩こうかな。
涼しくていい季節。
楽しみだなぁ。