ここは、本栖風穴です。
写真では大きさが分かりにくいですが、水蒸気爆発のあとの噴気孔で、けっこうな大きさです。
深さは15メートルくらい、横穴は500メートルくらいあるそうです。
近くまで行ければ、寝っ転がってどれだけ大きいかお伝えできるかと思ったのですが、崩れ落ちる危険があるため近づけません。
朝、説明をうけた大室山のふもとに着きました。
今の標高は、1150メートル。
ここから先は、落葉広葉樹の森になります。
てっぺんにだけ、もわもわしたヤドリギがついています。
落葉広葉樹は森の完成形であり、そこまでいきつけば、森の姿はそうそう変わることがないそうです。
樹海ではまだまだ少ない土もたっぷりあります。
樹海は常緑樹なので、ここを境に森が変わります。
富士山は定期的に噴火していますが、大室山は斜面があるため、溶岩に焼き尽くされずにすみました。
溶岩の通り道を歩きました。
そう遠くない過去、ここを灼熱の溶岩が流れていったのかと思うと不思議な感じがします。
そこに立てば、右は大室山の落葉広葉樹、左は常緑樹の樹海とパキっと分かれます。
落ち葉と同じ色のサルノコシカケです。
カワラタケといいます。
「森のエビフライ」と呼ばれている、これはなんでしょう?
答えは、リスが食事をしたあとです。
松ぼっくりをこんなきれいに食べるんですね。
歩き始めて2時間くらいで、お昼ごはん。
無風なので、座って休憩していても寒くありません。
おにぎり、うめー!!
あまりの食べ急ぎっぷりに、職場のおじちゃんがひとつ分けてくれました…
一晩に雪が1メートル積もったときに倒れてしまったブナの木に、いっぱいくっついているのはツリガネタケ。
ミニチュアながら、寺の釣鐘のようです。
「シッタカに似てるなぁ」と言ったらガイドさんが「そうでしょう!」と。
貝と菌類は似てるものが多いそうです。
山ぶどうの木がたくさん。
とても丈夫でカゴなどの材料にされることもあり、国産はとても高価とのこと。
帰って調べたら…北アルプスに何度か行けそうなくらいのお値段でした。
でも一生モノだそうですよ。
コブのある樹齢400年のブナの木。
おっきいなぁ…
ブナの実は脂が多く、熊の好物なんですって。
落ちている実はとてもちっちゃく、これが400年後、こんな巨木になっているなんて信じられません。
木は、枝を広げている面積の分だけ、根っこも広げているそうです。
そして根っこはネットワークのようにつながり、お互いを助けている。
これからは木を見上げて「大きいなぁ」って思うだけでなく、地中に広がっている根っこも思い出したいです。
倒れてしまいそうな木も、けっこうありました。
・枝がない
・(その1に書いたような)サルノコシカケなど、キノコがついている
・皮が剥がれている
そんな木は、根本から倒れることがあるそうなので山を歩いているときは気をつけよう、とか勉強になりました。
木が木に食い込んでいる!
乾燥している地域だと、ここから出火して山火事の原因になることもあるそうです。
火をおこすのと同じですもんね。
昔の人は、この現象を見て火をおこす方法を知ったのでしょうか。
溶岩流がそのまま残ってる「パーホイホイ」
ハワイの言葉で、縄状の平らなものという意味。
表面が冷えて中の熱いのが押し出されて模様ができるそうです。
ひとりで歩いていたら、ただの模様としか思わないというか…気づくことすらできないかもしれない。
やっぱり自然を観察するにはガイドさんですね。
続きます。