樹海の森の高い木は、栂松(つがまつ)が70%を占めます。
檜が20%で、どちらも常緑樹。
いつも青々としているから、青木ヶ原樹海と言われるそうです。
富士山の上から見たら青い海のように見えるのだろうか。
次に登ったら確かめてみたいと思います。
低い木は、60%を馬酔木(あせび)が占めます。
この木は毒があり、ほとんどの動物は食べません。
しかし、まれに馬が食べてしまい酔っ払ったようになるから、この字が当てられているそうです。
白いスズランのような花が咲いています。
鹿は、馬酔木の下で休むことがよくあるそうです。
ガイドさんの考えですが、
「体にその毒成分を落として、寄生虫を殺しているのでは?」
その通りのような気がする。
この形の葉、よく見かけますよね。
裏に白いYがあるのが檜。
あ、木にツキノワグマが引っ搔いたあとがあります。
彼らの住処にお邪魔するわけですから、驚かすことのないよう、出合い頭になることがないよう、周りに木を配りながら歩きます。
溶岩が酸化して赤くなっています。
赤くなり具合はさまざまですが、雪が積もっていないときの富士山が赤っぽく見えるのはこの溶岩の山だからです。
これはツチグリ。
湿気があると上の帽子のようなものが開き、触ると、ばふって胞子飛ぶようになっています。
さて、今日のメインです。
本栖氷穴へ。
入り口付近には蛇苔(じゃごけ)がたくさん。
繁殖力が強く、すぐ増えてしまうそう。
だからか、胞子も元気に見えてきます。
この鱗の模様、私はけっこう好きだけれど面積でかかったらちょっとイヤか?
この中はマイナス1℃だそうです。
溶岩鍾乳ですって。
できたときは灼熱で、今は氷の世界なんだ。
この鈍色…ほんとにきれい…
ぽたんぽたんと落ちる雫は、富士の天然水の始まりです。
うわぁ、これが氷筍!
すごい!
芸術だよ、これは…
透き通ってる、ガラス瓶みたい。
ヘッドライトを消せば、完全な闇。
自分の手すら見えません。
光がまったく差し込まない。
雫の落ちる音だけが、生きている音というか…時間を区切っているというか…空間を認識させてくれます。
山で夜、ひとり、ぽつんといてもこんなに静かにはなりません。
風や動物の声が、何かと生きていることを思い出させてくれます。
あの時間は、なんだか不思議な体験でした。
闇の中で、もっともっと過ごしたかった。
数分後には、光の世界へ戻っていきました。
続きます。