さて、質問です。
ここの小屋番さんたちは、山小屋が営業してないとき、何の仕事をしているでしょう?
答えは…ギター職人!
「大日小屋」北アルプスの山小屋完全ガイド | PEAKS

小屋の前から剱岳を眺めることができます。
歩いて15分の大日岳からは日本海と雲海。
すごくきれいな小屋だし、最高の立地だと思います。
ここに小屋がなければ、このコースは歩けなかった。
泊めてもらって文句を言って申し訳ないけれど、コロナがおさまるまではもう二度と泊まることはないです。
マスクを二重にして、できるだけ小屋の中では過ごさないようにしました。
ガスでな~んにも見えなかったとしても、外にいられるのは幸せです。
ガスの切れ間から見えるたびに「あ! 剱岳だ!」と興奮。
明日歩く道を確認したり、音楽を聴いて過ごします。

8人くらいだったでしょうか、団体がいました。
マスクをしてはいるものの、外にいても聞こえるくらいのボリュームで少なくとも2時間以上しゃべり続けている。
知らない人の夫の愚痴とか、聞きたくない。
特に山では。
目の前に最高の景色があるのに。
音量も内容もサイテーだ。
ほかのお客さんも
「あそこにいたくないね…」
「食事のときもああだったらどうしよう」
不安は的中。
食事中なのでもちろんマスクなし。
席は離れているからまだマシだけど、小屋の方から注意してもらおうと思ったら…
中心になって、一緒にしゃべってる!
だめだ、こりゃ。
なので、夕食はすごい勢いで食べて、食堂を出ました。
朝食のときは、その団体がいなかったので、ゆっくりいただきました。
ほかのところでいくら「感染対策に気をつけています」と言っても、いちばん感染しやすいのはやっぱりマスクなしの会話がおこりやすい食事中でしょう。
もったいないです。
各自がシュラフなどを持参したりしているのに、食事中のおしゃべりで台無しです。
小屋だって、定員を減らして営業するなど痛いはずなのに。
小屋の玄関を入ったところです。
乾燥室はありませんが、ここで干すことができます。

ストーブついてます。
普段暮らしているところは35℃でしたからね…
涼しくて快適ですが、寒く感じる方もいるのでしょう。
1泊2食で11,000円。
お茶は500円。
明日のために3本購入。
高くないです。
水は無料ではありません。
往復2時間以上かけて、汗かいて、またあの水場へ行けますか?ってことです。
水が有料なのは当たり前なのです。
水を引くのってどれだけ大変か。
そして食事のためには煮沸してるんです。
夕食は17:30~。
音楽がかかってランプの灯りがすてき。
でも、長居はしない。
ギターが飾ってある。
食後の演奏会は、やるのだろうか。
やっていても、この団体さんと参加するつもりはないけど。
今回の山歩きのお供は、この本。
小屋番の方々のエッセイ。
1話ごとに、行ったことがあれば思い出し、まだなければ「どんなところかなぁ」と想像し、山にひたれます。
寝床は、1畳スペースの二段ベッド。
カーテンで仕切られています。
それぞれに小さなライトがあり、かなり明るい。
夜も共用部分は小さな灯りがついているので、ヘッドライトいらずでありがたいです。
ヘッドライトを用意するのが面倒なのではなく、他人の顔に容赦なく光を当てる人々が少なからずいるからです。
今はマスクもしてるし。
耳栓してるし、耳まわりの負担が大きい。
夕食後の休憩で、この本を読むつもりだったけれど、室内にいない方が安全。
晴れてきたし、夕食後すぐに大日岳へ向かいました。
着替えたし汗をかきたくないから、できるだけゆっくり歩いたけれど、やっぱり汗かきました。
滝雲がみごと!
雲海にぽかりと浮かぶ太陽。
上の雲はぶ厚いけれど、きれいな夕暮れになりました。
19:00頃、沈んでいきました。
さよなら、また明日。
ここでひとり静かに過ごせたことが嬉しい。
夕方は雨だと思っていたから。
なんて幸せなんだろう。
ありがとう、と涙しか出てこない。
名残惜しいなぁ。
暗くなってから小屋へ戻り、マスク二重で就寝。
苦しかった…けれど、山に出かける判断をしたのは自分。
行かないのがいちばんの感染対策なのは分かってる。
でも行きたい。
家族や大切な人もいます。
出かけるのだから、精いっぱいの対策を。
朝食は4:30~、弁当形式です。
受け取って、食堂でいただいてもいいし、各自好きな場所で。
食堂なら味噌汁つきです。
おいしく塩分補給できる味噌汁は絶対のみたいです。
厨房をのぞかせていただきました。
山小屋で働いてからは、いろんな山小屋の厨房が気になるようになって。
続きます。