登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

大崩から十二湖を

眠りにつくときは星を眺めながら。

朝は、空の明るさで目が覚めました。
小さな天窓ですが、こんなに気持ちいいんだ!
 こんなに寝相いいわけないです。
とっちらかる前の写真です。

 
朝食後は、宿の無料送迎バスで、青池の近くまで送ってもらいました。
 
青池にご挨拶をして、崩山登山口へ。
 
登山口の標高は257m。
大崩は694m、その先の崩山は940m。
標高差 約700mを2時間か。
そこそこあるなぁ。
なまった体にはキツそう。

8:50
登山届をポストに入れて出発。
大崩まで2キロちょい。 
白神岳までは、もともと行かないつもりだったので、山の装備は持ってきていません。
ちっちゃい虫がすごい…
ずっと顔にまとわりつく。
たまに、チクッとするのもイヤ。
ハッカスプレーもってくればよかった…
これだけ虫が顔のあたりにいたら、おちおち深呼吸もできない。
実際、吸引力の強い私の鼻には、さっきから飛び込んできてるし。
 
なぜ、崩山に登ろうと思ったかというと…
①名前
②火口など、断面(?)が見えるところが好き=崩れているところも好き
③十二湖とは、本当は33の池ですが、大崩から見ると12しか見えないという。
昨日歩いた限りでは、相当小さな池もあったし、木々に遮られているためにおそらく上からは見えないであろう池もありましたが、そんなに減るものか? を確かめたく。
 
40分歩いて、約半分。
道が、少しなだらかになりました。
 
くるくるくる。
ふっさー。
こういう動物いそう。
 
 どっちが成長した姿なのか…

陽の光を透かした新緑。
大好きな色です。

葉が重なり合って、濃淡がついています。

まだ森を抜けてはいませんが、青空の面積が広くなってきました。
 
小さい頃描いた「The 花」のようなシンプルな花もあれば
凝ってるなぁ…と驚くような花もある。
名前を覚えられないので知ろうとは思わないけれど、花もそれぞれなんだなぁ。

「みんなちがって、みんないい」です。

歩き始めて1時間15分。
矢印どおりに道をそれると、トラロープで行き止まりになりました。
つーか、進むヤツいますかね。
転がるぞ。

大崩です。
気持ちいー!
日本海は、刷毛でさぁっと色をつけたよう。
「名前のまんまだ。崩れてる」
と、池のほとりから見上げたところに、今いるんです。
やっぱり人の一歩はすごいんだ。
遠いと思ったあの場所に、ちゃんと着いている。
昨日歩いた池を、上から見ているんです。
池は…
数えたら最初、10しか見つけられませんでした。
あのくびれているところは、2つとしていいのかな?
そうならば、わずかしか見えない池も見つけたので、確かに12です。
 
紅葉ではないけれど、木々の色がぽんぽんとスタンプをおしたように、カラフル。
緑にも、たくさんの色があるんです。
 
昨日、夕陽を見た展望台がとても小さく見えました。
あそこまで全部が美しい森。
なんてすてきなんだろう。
 
景色を眺めているだけで、すでに30分が経過。
来てよかった。
この景色を見ることができてよかった。
今回の旅でも、何度そう思ったか。
 
11:00
1時間ゆっくりしました。
崩山は、いいや。
ここ、大崩で充分楽しんだ。
下山しよう。
スニーカーなので、下山は特に注意。
往復、誰とも会わなかったので、自分のペースでゆっくり歩けました。
みんな、池しか行かないんだなぁ…
山の服装の人もいたんだけどな。
迂回路や通行止めがありました。
道は歩きやすいですが、うっかり違う道へ踏み込まないように気をつけます。
 
登山口に近づくにつれ、道が細くなって足元は花畑。

約1時間で、鶏頭場の池が見えてきました。
まもなく登山口に到着です。
 
青池からは、たくさんの人の声。
とりあえず素通り。
お腹すいたから。

鶏頭場の池から、大崩を見上げる。
さっきまで、あそこにいたんだ。
山から下りてきたときは、いつもそう思います。
 
お腹すいたから、キョロロ(物産館)で何か食べよう。
キョロロとは、アカショウビンの鳴き声で、それが店名になっています。
雪人参スムージー、おいしい。
笹餅も、この地方のもの。
りんごチップスはお腹ふくれないけど、好きだから!
 
昨日行かなかった池を散歩しようと思ったけれど、全部行くとなると3時間くらいか?
キビシイか…
アップダウンはないですが、距離があります。
 
最後にもう一度、青池へ。
湖底にたたずむブナの枯れ木さえ見える不純物のなさ。
9mもの深度があるなんて。
時間によって陽の光の入り方が変わるから、コバルトブルーだったり、群青色だったり、透き通る青だったり…
水と思えない。

宇宙からみた地球も、こんなふうに美しいのだろうか。
 
大崩からの景色もでしたが、ここもずっと眺めていられます。
たまにうるさい人が来ても数分で去りますから、すぐにひとり。
 
波紋も美しい。
本当に美しい池でした。

 
そして、アオーネ白神十二湖へ戻りお風呂へ。
冷やしておいたりんごサイダー、最高!