山、はじめます。

生きていれば、山を元気に歩ければ、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちになれるんだ。

誰かの初めて

誰かの初めてに立ち会えるって、とても嬉しいことです。

その子がずっとやってみたかったことなら、なおさら!

 

今、パン屋さんで働いています。

バイトの子が足りない日には、早朝~21時の閉店までがんばっている社員の女の子。

ちょうど私の半分の年齢です。

一緒にシフトに入っていたとき、

「私、やってみたいことがたっくさんあるんです」

そうなんだ、たとえば?

「いっぱいあるんですけど…現実的には無理なのかもしれないけど、死ぬまでに富士山に登ってみたいなって思います、半分まででもいいんですけど」

死ぬまでに、なんて言わないでさ、若いうちのほうが楽しめることっていっぱいあると思うよ?

今年の夏登ってみない?

しかも半分の五合目まででいいんかい?

そこがスタートの人が多いけど?

「え! 登ったことあるんですか?」

すぐに回数を思い出せないくらいは登ってるよ。

 

ビックリしすぎたんでしょうね。

なぜか、地団駄ふんでいました。

私が登山をしているということを知っていても、なぜか高尾山だと思っている人が多いんです。


「富士山、行きたいです。私でも行けますか?」

 

山小屋で働いていたときにも、アウトドアショップで働いていたときにも、よくされた質問。

「〇〇まで行けますか?」

私、あなたのこと何ひとつ知らないしな…って思いながら、今まで登ったことのある山を尋ねてどうにか答えていました。

こう聞きたくなるんですかね、確認というか。

行けませんよ、と答えられてしまったら諦めるのだろうか。

 

その子は、何度か高尾山に登ったことアリ。

仕事が夕方に終わったときは、近所を走っているとのこと。


じゃあ、行けるよ。

「ほんとですか!!」

行けるか聞いてきたのに、行けるという返事にビックリしすぎたようで、そのあともオロオロしていました。

かわいい!


・おしゃべりしながら歩けるペースを守って、適度に休憩をとる

・お金はかかるけど、弾丸登山はしない(五合目で仮眠をとってから出発)

・山頂でのご来光にこだわらない


これだけでぐっと登頂率は上がるはずです。

高山病は体質もありますが、ほぼ、急ぎすぎと体調(寝不足)です。

今まで職場の人たちを連れて行きましたが、歩行時間に差はあるものの全員登れています。

 

その後も、登山を続けている人が何人かいて本当に嬉しいんです。

山を楽しむきっかけをプレゼントできたような気がして。


私にとって、山を歩くことは、趣味と実益をかねています。

山を歩き続けたいから、元気でいようと思うのですから。

 

仕事が休みの日に、その子と買い物に行きました。

登山靴とザックを買いました。

今まで履いたことのない、ゴツい靴。

上半身は強張り、5センチずつしか進まない…

その歩幅だと…いつになったら山頂に着くかな、かわいい!

「高尾山で練習してきます」

そうだね、靴ひも結ぶのも練習だね。


持っていくものを、ちっちゃい字(もしかして私、老眼?)で一生懸命メモっているのもかわいい。

クリアファイルに挟んでるし。


若いって本当にいいな。

自分も通ってきた道(10代、20代、30代…)ですから、戻りたいとかではないのですが。

若い子と働けるって幸せだな。

職場で若い子たちがツヤツヤした肌で笑っているのを見ると、こっちまで頬がゆるみます。

 

登るのは約1ヶ月後。

それまでにやっておくといいよ、とオススメしたのは「その場足踏み」。

床と平行になるまで太ももを上げて、その場で歩くだけ。

これなら、階下への音も気になりません。

お風呂入る前にやるといいです、これだけで汗ビッショリになりますから。

あと、できればワイドスクワット。

山は、ふくらはぎではなくて太ももで歩くのです。

楽しく登ろうね。

無事に家へ帰るまでが遠足です。