登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

山小屋の本

図書館で見つけました。

山小屋のことが書かれている本、好きー。

著者の樋口明雄さんの、北岳を舞台にした小説も大好きです。

私も短い期間ですが、北アルプスの山小屋で働いたことがあります。

ゆで卵が8分じゃ全然固まってないとか、ちっちゃなことも含めて、下界との違いに驚くことはたくさんありましたし、トイレ掃除なんてほんっとにイヤでした。

いくつもいくつもトイレがあるので、当番がまわってくるたびにウンザリでしたもん。

自分の家や知り合いの家だと思えば、こんなに汚さない(汚せない)んじゃないの? と思うくらい、ひどい汚れの日もありました。

そういう日って、ほぼ全部のトイレが汚いんです。

落書きと一緒かなぁ〜。

ひとたび汚れてしまえば、そのあと汚しても、それが自分のかは分からないから、どれだけ汚しても気にならないってことかなぁ、なんて考えながらたくさんの便器や床を磨きました。

水がジャバジャバ使える環境ではない(水洗トイレの山小屋も増えましたが、私の働いた山小屋は昔ながらのトイレ)ので、ササッときれいになるわけではないのです。

 

学校登山の中学生が泊まった翌朝のトイレ掃除はアタリでした〜。

ほんとにキレイでしたもん。

若い子たちは和式トイレなんて使ったことないんじゃないか…って心配していたのに。

 

そういえば、お風呂に入れるのが数日に一度なので、きれいになった翌日にトイレ掃除当番だと残念な気持ちになったり。

 

何年も前のことなのに、仕事画終わって寝る前に毎晩見上げた天の川、従業員部屋で6人ギッシリで寝てたこと、など…

今でもよく思い出します。

 

この本には、南アルプス北岳周辺にある5つの山小屋のことが書かれています。

 

春、雪の中に埋もれた山小屋をどうやって登山者が泊まれる状態までもっていくのか、それには何日かかるのか…?

水はどうやって確保してるの?

私たちが暮らす日常ではあるのが当たり前のものが、山では大変な労力と引き換えにして、やっと得られるのです。

山に行く方も行かない方も、きっと興味をもっていただけるのではないかと思います。

 

 

山小屋によって、全然違うのがおもしろい。

雰囲気もルールも、何もかも。

標高や環境によっても違うでしょうし。

毎年毎年、みんなで工夫してできあがっていくのでしょう。

 

山小屋には、山が好きな人はもちろんいますが、初めて山に登ったという人もいるんです。

私が働いた山小屋でもそうでした。

写真家の卵さんとか、世界中を旅していて日本に寄ったときにちょうど夏山のシーズンだったから、とか。

 

山での生活が書かれた本は、ほかにもあります。

フィクションもノンフィクションも、おもしろいので、ぜひ!


最近、山へ行けてない!

天気予報はあまりよくないけれど、行ってこよう~。