昨年の夏に富士山へ登った、職場で一緒だった女の子。
その後も、毎日のウォーキングとジム通いは欠かさないとのことでした。
今まで一緒に山へ登った人、全員ではありませんがほとんどの人がそれぞれのペースで山を歩くことを続けています。
そういう人たちは私と行かなかったとしても、いつか山へ行く運命だったかとは思いますが、きっかけになったとしたらこんな嬉しいことはありません。
この女の子(年齢が半分なので、どうしてもこの呼び方になってしまいます。親と同じトシですし…)が転職しました。
それからもご飯に行ったり、連絡を取っています。
こんなに若い子たちと友達になれるなんて…
おじちゃんおばちゃんも大好きですが、やっぱり若い子の明るい笑顔はいい!
「また山に行かない?」
と誘ってみました。
日帰りで楽しめて、富士山がきれいに見えて、交通の便がいい山…
金時山でしょう。
晴れていれば、きれいな富士山とご対面なんですけど…
そうなったら「山に登らなくていいじゃん」と言われそうです。
金時山への登山ルートはいくつかありますが、乙女峠からのルートがいちばん好きです。
先週の強烈な寒波で、登山道が凍ってないか心配ですが…
雪は少しあるでしょうが、凍っていそうなところが2ヶ所あるんですよね。
軽アイゼンを持っていますが、ダメなら引き返すという話をして登り始めます。
あまりに寒かったなら菜の花を見に行くという選択肢もありましたが、こちらは20分しか歩かないのでハイキングにならないよなぁ。
「モノより思い出」
何年前だろう、車のコマーシャルでした。
本当にそのとおりだと思います。
たとえばこの女の子を含め、何人もが初めて登った富士山。
レンタルでもかまわない、と言いましたが全員が登山靴、ザック、雨具を揃えました。
人によって、約30,000〜50,000円くらいでした。
五合目での宿泊と、往復交通費や食事を含めて16,000円ほど。
昨年一緒に登った子が富士山に連れていった中でいちばん若かったのですが、20代前半の女の子が、たった1度きりになるかもしれない娯楽(あえてそう言います)に出すには高い金額だと思います。
富士山の山頂に到着したときに、その子のお母さんと電話で話しました。
「私たちではさせてあげられない経験をさせてもらい、ありがとうございました」
山頂まで自分の足で歩ききったという経験と自信。
「富士山を見るたびにジーンとくるんです」という、その子(千円札の富士山にさえ!)の言葉。
その子だけでなく、私もこのあとの人生で何度も何度も思い出せるんですもん。
記憶は一生もの。
やっぱり「モノより思い出」だ。
さて、乙女峠に着いたとたん、どーんと見える富士山。
…のはずが…
高速バスの中からは見えてたんですよ。
でも御殿場に近づくにつれて、こうなっていきました。
「歩いている間に晴れるといいですね」
その子が言いましたが、分厚い雲が空のところどころにあるんだよなぁ。
残念だけど、難しいかもしれない。
「もし富士山が見えなくても、歩けるだけで絶対楽しいです!」
嬉しいこと言ってくれるなぁ。
さぁ、登山靴に履き替えて出発!
続きます。