登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

夕暮れの高尾山へ

「今日は空気がカラカラ、快晴です」
との天気予報、山に行きたくてたまらなくなりました。
昼過ぎまでは用事があるから、高尾山へ夕陽を見に行こう。

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15:00、高尾山口駅に降り立つと平日にもかかわらず、やっぱり人出は多い。
下山してくる人が多い時間帯なのでしょう。
これから登るツアーの人たちもいます。
あえて高尾山でツアーって、何をするんだろう?
ちょっと興味あります。
絶対に行かないけど。

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駅から登山口までの売店で、この季節恒例の「むかご」が売っています。
炊き込みご飯にしましょう。
下山後はもう閉店しているので、3袋買います。
 
ケーブルカー乗り場前の紅葉は、すっかり終わっており、散っていました。
上の方はまだ、山吹色に染まっています。
柔らかい光が木々を照らしています。

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それにしても、すっかり寒がりになってしまいました。

2月に半袖で出勤して怒られていた頃が懐かしい。
あれから10年たってないんだけどなぁ。

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ケーブルカー利用が多いのかな?

稲荷山コースは、すれ違う人も少ないためペースもそこそこ、静かに秋の空気を満喫しながら歩けました。
 
山頂まであと少し、というところにベンチが2ヶ所あります。

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登山口に近い方の、このベンチがお気に入りです。
寝っ転がりたいくらい、のんびりした空気感。
が、そんなことしてると日没に間に合いませんので進むとします。

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いや〜、気持ちいい。
長袖1枚で汗ばむ程度。
あまり汗をかいてしまうと、夕陽を見ながら冷えちゃいますからね。

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もみじ台に16:00着。
一丁平までは…無理だな。
それまでに沈んでしまう。

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富士山のお隣に、まばゆい光を放ちながら沈んでゆくのを、音楽を聴きながらただ見てるだけ。
ちょっと寒い、でもすごく落ち着く。
やっぱり山が好きだなぁ。

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山を歩いていると、いろんなことを考えます。
私は今、無職です。
在職中に面接を受けていたため、10月末で退職したあと、11月1日からすぐバイトを始めました。
しかし、どうしても楽しめず、無給期間だったこともあり辞めました。
仕事を辞めて、社員でなくてもなんでもいい、楽しめる職場にいたいと思いました。
仕事そのものが楽しく、周りの環境(人間関係や、サービス残業が多すぎない、とか)もどちらもいいのがそりゃ最高ですが、それを求めていたらすぐに見つけることはできない。
どちらかでいいから…と思って選んだバイト先でした。
1日に10km以上アップダウンを歩く(重い荷物を持ちながら小走り、でも宅配関係ではありません)のですが、それは全く苦になりませんでした。
山に鍛えてもらったからですね。
健康にも間違いなくいいと思ったのですが、このバイトでは「外で働ける」という点しか楽しみを見いだせませんでした。
教える方だって大変です。
それが分かっているから、見切りをつけました。
これからどうしたらいいんだろう。
今の自分でできること、とやってみたいことが違う。
未経験者歓迎とあっても実際に面接に行けば「未経験じゃちょっと…」
じゃあ、書かないでほしい。
経験者のみ、としておいてくれればビミョーな空気が流れることはないのに。

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16:18、太陽はすっかり見えなくなり、ずいぶん白くなった富士山がくっきり現れました。
マジックアワーの始まりです。
今日はどんな色に染まるのだろう。
 
16:30、山々の稜線をふちどる橙色が濃くなってきました。
それにしても寒い!
完全に暮れるまでは、多分いられないな。
暖かいダウンを持ってくれば良かった。
温かいミルクティーも。
 
限界!
10分しかたってないけど!
16:40、来た道を戻ります。
反対側の空は、淡い桃色になっていました。
木々の間からですが、どんどん色を変える空が見えます。
 
1ヶ所だけ、すごくぬかるんでたところがあったなぁ。
あそこを真っ暗になる前に通りたい。
スニーカーなので、ズブッと入るの勘弁。
尻もちなんてついたら、帰りの電車で座れないもん!
 
東京の夜景です。
登るとき、都心までくっきりだなぁ〜と思ってから1時間半しかたってないのに。

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山頂では
「冷えたから温泉はいってこ!」
と思っていましたが、下りとはいえ歩けば体が暖まります。

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お腹が空いてる方が勝り、さっさと京王線に乗りました。
人生2回目のタイ料理。
カオマンガイというのをいただきました。
ほかにも食べてるんですけどね。
おいしかった〜。

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約2週間後、高尾山の山頂からダイヤモンド富士を見ることができます。
 
 

丹沢へ その2

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それまでは緩やかなアップダウンでしたが、昼前に到着した高取山を過ぎると、しばらく下りに。

道標が、これでもか! というくらいあるので低山にしては珍しく、道に迷う心配をしないで歩けます。

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天気予報、当たった。

蛭ヶ岳方面は、重たそうな雲の中。

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12:35

仏山

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ここのベンチ、陽当りいいな。

ジンギスカンまで、あと2キロちょっと!

 

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また鉄塔だ。

今度は、真下に入れました。

 

鹿、猪対策です。

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山の中に、ぽつぽつとある石仏。

誰かの思いをずっと受け止めてきたのだな、と思います。

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みかんの木。

なんか、平和だな。

野菜や果物がなっているのを見ると、いつもそう思います。

育てている方にはご苦労があるとは思うのですが…

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弘法山まで0.5キロですが、山頂を目指していたわけではなく、ジンギスカンを目指していたので、迷うことなく「めんようの里」方面へ。

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神奈川県秦野市のジンギスカン レストラン|木里館

高取山から1時間ちょっとで、ジンギスカンに到着~。

よかった、間に合って。

お昼のラストオーダーは13:30までだったから。

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自家製梅ジュース炭酸割り。

う~ん、歩いた後の炭酸は最高!

大して歩いてないけど。

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ジンギスカン定食に、ラムチョップを注文。 

肉、おかわり〜。

「野菜はいかがいたしますか?」

モヤシで、腹をふくらませてたまるか!

肉のみでお願いします!

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ラムチョップより、ジンギスカンの勝ちだな。

 

あ!

鉄板とラム肉の間に敷いていたモヤシの寿命が尽きつつある(焦げてきた)。

だから野菜もいりますか? なんだな。

でもいらない!

大至急焼いて、食べるから!

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食後の栗のアイスもおいしかったです。

そして、見たことのない果物を売っていたのですが、リュックにはさるなしの実が入っています。

もう隙間はありません。

またご縁があったら…

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あ〜、お腹いっぱい。

歩きたくない。

だが、歩かねば。

秦野駅への道は市街地かぁ。

つまんない。

2つ前の分岐まで戻って、鶴巻温泉駅へ向かいます。

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弘法大師と見れば、四国をめぐったことを思い出します。

たくさんの人に衣食住を支えてもらって、毎日の暮らしがある。

私も、少しでも誰かを支えることができているのだろうか。

生きていること、元気でいられることに心底、感謝の心を持てた40日間でした。

また年齢を重ねたら、あのお寺を訪れたいと思います。

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また鉄塔だ〜。

鉄塔パラダイス。

山の中で人工物を見るのはあまり好きではないのですが、鉄塔だけはなぜか興奮します。

そして山小屋も人工物ですが、ほっとします。

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弘法の里湯で汗を流します。

秦野市鶴巻温泉 弘法の里湯 || 小田急線 鶴巻温泉駅前の日帰り温泉です。

2時間券800円が、丹沢フリーパスの提示で200円引き。

いや〜、いいお湯でした。

露天風呂が最高!

浴槽の中に浅い部分があるので胸のあたりから上が出るのと、温度がちょうどいいので、ゆっくりつかりました。

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ジンギスカンをあれだけ食べたのに、

「なんか餃子が食べたいなぁ」

と、鶴巻温泉駅に向かって(弘法の里湯からすぐ)いたら、駅前に明るい光を放つお店が。

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ジビエの幟がある。

へぇ、鶴巻温泉ジビエの街なんですか。

どんなメニューがあるんだろう?

シシメンチカレー、みぞれシシメンチカツプレートか。

餃子やめて、シシメンチカレーにしてみよう。

 

フリーパスを提示したら、コーラが無料になりました。

カレーだけでなく、ザクザクスパイシーポテトも注文。

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う〜ん、やっぱり餃子の気分だったな。

でも、もう食べられないので、帰ろう。

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登戸駅を通ったのですが、ドラえもんカラー?

川崎市 藤子不二雄ミュージアム」があるからだそうです。

改札とかにも、ドラえもんがいそう。

今度は下車してみようかな。

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丹沢へ その1

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紅葉が見頃を迎えているであろう、丹沢へ!

当初は西丹沢ビジターセンターから登って蛭ヶ岳で1泊、夜景とご来光を見て、バカ尾根(バカみたいに階段が続くのでそんな名がつけられた、とか)を下るか、もしくは三ノ塔まで歩こうかな、と思っていたら…

天気予報で、夜景とご来光の時間がちょうど雨って…

毎週お休みがあるので、天気が悪くてもどうしても行く! というのはもうやめたんです。

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あっさりと日帰りにして、しかもケーブルカーを使えちゃう大山にして、弘法山方面へ下山してジンギスカンを食べようという、山を歩くのがメインなのか、おいしいものをお腹を空かせておいしく食べることに意識が集中してるんだか(たぶん、こっち)分からない計画にしました。

1泊で行こうとしていたので、もともと翌日はお休みだし。

出かける寸前に、

「遅くなってもいいんだから、温泉にも寄っちゃおう」

どっかの宿でもらった薄~いフェイスタオル・試供品の化粧品・替えの下着が入った温泉セットをリュックに突っ込みました。

 

と、ゆるい計画で出発しました。

ケーブルカーの始発が9時なので、朝の暗いうちに出発することもありません。

だいたい始発は混むから、そのあとのでいいや。

丹沢・大山フリーパス | 小田急のお得なきっぷ

丹沢の山へ行くときは、この切符が便利です。

大山ケーブル阿夫利神社まで往復利用するならA切符ですが、私のように片道だったり、大山ケーブルをそもそも利用しないのであれば、B切符です。

時刻表・運賃 | 大山観光電鉄 | 大山ケーブルカー公式ホームページ

11月20~28日までライトアップをするそうです。

週末は天気がいい予報だし、混みそう…

紅葉ライトアップ&ケーブルカー夜景運転 | ホーム | 大山観光電鉄 | 大山ケーブルカー公式ホームページ

 

伊勢原駅に到着。

山の格好の人がいっぱい。

そして…産業能率大学行きのバスと同じ乗り場なもんだから、並ぶのがごっちゃごちゃ。

山に行かない人が嫌な顔で見てるじゃん…そりゃそうなるよ。

ハイシーズンのときだけでも、変えたらいいのに…

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バスの車内もワイワイガヤガヤ。

通勤のバスや電車では無言な人が多いのだから、こういうときも…と思うけど、気分が高揚しているから、気づけないのかなぁ。

 

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うわぁ、柿がいっぱいだ。

安い。

持って帰りたい…でもリュックのファスナーしまらないだろ。

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ケーブルカー乗り場まで、こま参道を歩きます。

 

あぁぁぁっ!

さるなしの実がある!

箱根の金時山へ登るときに毎回、乙女峠の茶屋で買っていた(それを見越して大きめのザックで行っていました)んだけれど、閉店してしまって。

それから食べてなかったんです、ずっと。

重いのにいっぱい買ってしまった…3袋。

でも、帰りは通らないから今、買わないと!

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本当はもっと買いたかった。

このサイズだと1000円、半分の500円もありました。

2月まで店を出しているって言ってたから、なくなったら年内にまた来よう。

丹沢は、スギとヒノキの花粉シーズン、梅雨から夏はヒル、であまり登らない山です。

北アルプスは、私にとって4ヶ月以上シーズンですが、丹沢は涼しくなってきた11月からで2ヶ月くらいかも…

年内にあと1回来れるかな?

さるなし買うために登るってのも食い意地がはってるな~と、我ながら思います。

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阿夫利神社まで、あっという間でした。

う〜ん、この人数が上へ行くか…

山頂は広くはないので、しばし迷います。

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大山の山頂へ行くのは、やーめた。

静かに歩きたい。

山では香りも楽しみたいから、マスクも外したいし。

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阿夫利神社らしい、おみくじです。

阿夫利神社は、あふりの漢字を変えて「雨降」とも言うんです。

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蓑毛方面へ進みます。

大山に登るにしても、はじめはこちらを歩けば、いきなり階段じゃなくていいかも。

階段って萎えるんですよね…

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もちろん、こっちに歩き始める人は誰もいません。

静かで気持ちいい。

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いい道。

 

お腹がすいたので、蓑毛バス停への分岐でランチ。

さっき買ったさるなしも食べちゃう。

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シャクシャク、独特の食感です。

味はキゥイに近いです。

あ〜、サングラスいらなかったから、温かいスープを持ってくれば良かったな…

鼻水でてきた。

寒いから先に進みます。

手袋も欲しかったなぁ。

季節の変わり目は、こういう忘れ物が多い。

なくてもいいけど、あった方が良かったなぁってモノ。


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かっこいいな、これ。

何の施設なんだろう。

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秋だなぁ。

昨年行った、山中湖近くの鉄砲木ノ頭もススキの海がきれいでした。

山中湖 鉄砲木ノ頭 - 山、はじめます。

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鉄塔は、入れたら必ず下から見る!

真下からは無理だったけれど、なかなかの大きさで迫力があります。

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続きます。

山での飲酒に思うこと

私はお酒がほとんど飲めません。

食前酒で出てくれば、ひとくち、ふたくち飲むこともあるという程度です。

先日行った高尾山、ビアマウントがあるのですが、酔っ払っているにもかかわらず、ケーブルカーを利用せずに、フラフラしながら下山するグループを目にしました。

お酒を楽しまれる方を不快な気持ちにさせたら申し訳ありませんが、山でお酒を飲むことについて書きたいと思います。

 

今までたくさんの山に登り、美しい景色と出会えました。

そのうちのひとつでの、風景ではなく忘れられない出来事です。

 

午後、山小屋に到着した私は景色を眺めながら、音楽を聴いていました。

16時頃に到着したその登山者は、到着直後から夕食時まで、ビールやお酒を飲んで大声で話していました。

「酔っぱらって声が大きくていやだな」

そのときは、その程度でした。

 

夕食が済んで、山小屋の人も一緒にみんなで日没を待っていました。

その日はとても天気が良く、橙色へと染まっていく空がとてもきれいでした。

 

それぞれが静かにその景色を楽しんでいる。

そんな中で、その登山者は、年配の3人の女性に

「〇〇岳はいい山だから、絶対登りな」

と、大きな声で何度も同じことを言っていました。

初めはうなずいていた女性たちも、そのうち

「私たちはお花を見ながらのんびり歩くのが好きだから…」

と遠慮がちに、距離をとり始めました。

その3人はのんびり山を歩きたいと言っているのに、しつこいなと思いました。

音楽を聴いていてもなお聞こえる声量に、いらついていたのかもしれません。

 

女性たちが離れたので、話しかける人を探しているのかフラフラと歩き始めました。

持っているお酒の缶を何度も落として、拾おうとするたびに尻もちをついていました。

周りの人たちが

「ちょっと飲みすぎじゃないか?」

「部屋で休んだら」

と声をかけましたが、

「いつも山ではこうしてるんだ!」

と戻らず、フラフラ歩いていました。

なんとなく見ると、鼻の脇に出血の跡もあり、ほんとにこの人大丈夫かなと思いました。

 

夕食時に話したという他の登山者から、この人が明日、夜明け前に出て〇〇岳に登ろうとしていたと聞いて驚きました。

そこから下りてきたんだとばかり思っていたから。

その解放感で、こんなに飲んでいるのだと思った。

しかも、1泊2日の予定なので、〇〇岳に登って△△まで下山するつもりだったんだ。

歩行時間は、10時間どころじゃありません。

しかもお遊び気分で歩ける登山道ではないところです。

 

やがて、太陽が沈みました。

そういえば静かになったな、と思ったら離れたベンチに座っていました。 

私は(緩やかですが)下りの斜面をサンダルで歩いていたので、足元に目をやり、また顔を上げたら、ベンチに人影がなくなっていて、ベンチの横に何かが見えました。

「え? 人じゃないよね?」

うつぶせに倒れていたのです。

そう気づいた瞬間、ベンチ側ではなく、崖側へごろんと落ちていきました。

何が起こったのかは一目瞭然。

もうそこにさっきまで見えていた何かがないのだから。

でも、信じられなくて。

頭が受け入れられないまま、ベンチに向かって走りました。

私のいた位置からは見えなかったけれど、小屋番さんも見ていたのでしょう。

私よりも先に、走り寄りました。

 

双眼鏡で下をのぞいても姿は見えず、名前を呼び続けても応答はない。

 

山を歩いていて、目の前の人が落ちたらショックだと思う。

でもこれは…

酒を4本以上も飲んで、あんなフラフラで明日、〇〇岳に登る?

高所で飲んだら酔いがまわるの早いんでしょう?

売った小屋の人が悪いんじゃない。

明日、山に登るなら自己管理が必要です。

それをしなかった結果です。

死んでしまったのは、100%自分の責任だと思う。

お亡くなりになったことは気の毒ですが、自分で気をつけなければいけなかったこと。

山で命を落とすにしても、道迷いや滑落とは違います。

 

山岳警備隊に一報を入れると、驚くほどの速さで隊員の方々が駆けつけました。

あっという間に確保をとり、下降。

男性の姿を確認したようで、隊長に救助の方針を確認していました。

 

翌朝、小屋のスタッフが何も言ってこなかったので、助からなかったんだと思いました。

落ちた瞬間を見ていたため事情聴取(山岳警備隊は警察です)をされていたので、どうなったかを教えてくれました。

やはり助けた時点で心肺停止だったそうです。

 

この日、この山小屋のスタッフは大変だったと思います。

①高山病になり、体調が悪いのに小屋まで来てしまった人が、血中酸素濃度が低下して酸素吸入が必要になりました。

もしこの人がコロナだった場合、重篤な症状になり死ぬこともあったと。

 

②日没後、19時前に小屋に着いた男性がいて、しかも夕食を食べたいって…

図々しくないですか?

 

③この事故

 

大きな景色を眺めながら飲む1杯は格別です。

私も、CCレモンを飲むと幸せな気持ちになります。

でも、分からなくなるほど飲むのは、帰宅後でいいのではないですか?

 

山小屋は、山を登る私たちを支えてくれています。

なんでも頼りっぱなしになるだけでなく、自己管理をしっかりして、山を安全に歩いていきたいです。

 

どうか、山を歩いた全員が、楽しかった山の思い出を持ち帰ることができますように。

 無事に帰るのを待っていてくれる人のもとへ、元気に戻れますように。

 

東伊豆の赤沢へ

今年最後のダイビングをしようと思っていました。

豪雨の日だったので、キッパリあきらめました。
ダイビングのあとに宿泊予定だったDHCの赤沢温泉ホテルへと、ワイパーをいちばん速くしても雨がたたきつける天気の中を出発。
スピードを出していなくても、対向車のしぶきが衝撃になるくらいの大雨でした。
 
ここのお風呂は、すべて展望がいいんです!
湯船に体を沈めると、向こう側の青い海に湯がしたたり落ちてゆくような…
それくらい海との一体感を感じられます。
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宿泊棟の隣に、日帰りの温泉館があります。
源泉がそれぞれ違うそうなので、両方行きましょう。
宿泊客はチェックイン前もチェックアウト後も、無料で利用することができます。
DHCの施設だけあって、クレンジングやシャンプー、お風呂上がりの化粧水などは完備されていますが、日焼け止めはないので持参を忘れずに!
普通は持っていきますかね、化粧もしますんね。
日焼け止めしか塗らないので忘れてました。
「手ぶらでいい」の意識が強すぎて。
 
夕食は…
お品書きを見て、まず思ったこと。

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「少なすぎる」
前菜も金目鯛の煮付けもおいしかった。
だけど少ないぞ!
デザートをいただいたら、そのまま日帰り温泉館へ行って
「レストランでラーメンを食べよう! これじゃ足りんぞ!」
と、ツレとこそこそ話していました。
が、シメの食事が
駿河ごはん
・そば
から選べたのですが、この駿河ごはんがおいしくて。
しかもおかわりもできまして。
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満腹になって部屋へ戻り、ベッドへと倒れ込みました。
 
寝る前に、屋上の露天風呂「天穹の湯」へ。
たまたま誰もいなくて、頭上の星、真っ黒い海に浮かぶ釣り船の明かりなどを眺めながら、ぼんやりしました。
 
そして、夕食よりオススメなのが朝食です!
私はここの朝食バイキングが1番だと思っています。
食べたいものがたくさんある。
揚げたてのアジフライもありました。
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2杯目は、しらすをたっぷりのせた白メシ。
小松菜やレモンのスムージーもおいしくて、ゴクゴク何杯も飲んでしまいました。
普段の生活では、スムージーなんて飲みもしないんですけどね。 
夕食よりもお腹いっぱいになって、ベッドへ倒れ込みます。
ダイビングをしていたら、こんなに食べられなかったなぁ…できなかったけれど良しとするか…

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部屋の窓はとても大きく、露天風呂からの眺めと同じように、海が視界いっぱいに広がります。
風がまだ強く、波がパチャついてる。
良かった…酔うわ、これ。
 
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チェックアウト後、「もう温泉はいいね」と象牙美術館へ。
もう何度目だろう、行くの。

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とくに展示品が変わるわけではないのですが、驚くために行ってます。
人の手がこれを彫ったんだよなぁ…と。
象牙からこれを彫り出せるなんて。
しかも仕上げは彫刻刀(思ったより大きい)って、マジですか?
三代にわたって、とか根気がハンパない。
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フラッシュなしなら撮影可なので、撮って拡大して驚く、を繰り返します。

象牙からくり抜いた球体の中を何層もに彫るなんて、どうやるのよ?

 

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ほかに、着色をせずに自然の色を活かした石をつかったもの、西遊記楊貴妃の絵巻も見事でした。
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でもやっぱり象牙に目が奪われます。
象牙の曲線をいかしたこの作品も美しいです。

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伊豆でほかに観光をするところが思い浮かばない&お腹がいっぱいすぎて、昼ごはんを食べるのは無理、と帰路につきました。