ご来光を待ちます…少しの雲の動きに、みんな一喜一憂です。
「おっ、槍がちょっと見えた!」
やっぱり槍サマ、なんですね。
こんな雲に包まれたかと思うと…
ふわぁ~っと雲が去り、雲海が。
昨日歩いてきた道が見えます。
今日、これから歩く道でもあります。
左下に見えるのがテント場ですよ。
けっこう遠いですよね…トイレ…
以前、ここから雷をみました。
稜線を時折くっきりと浮かび上がらせる青白い強烈な光。
安全な場所にいるからこそですが、見とれました。
このとき槍ヶ岳山荘の小屋番さんが止めたのに、無理に槍ヶ岳に登頂した方が亡くなりました。
それを知ったのは下山してからのことです。
不謹慎になってしまうかもしれませんが、それでも本当に美しい光でした。
真ん中の奥に槍ヶ岳が。
右に大きくくぼんでいるのが大キレットです。
無風で10℃。
なんて快適なのでしょう。
今回は防寒具は持ってきませんでした。
持ち物リストの中でおそらく必須のものですが、連日35℃を超える猛暑日の予報、今回は必要ないと判断しました。
8月下旬にまた山へ行くときは、持って行くかもしれません。
数年前までは真夏でもご来光を待つときはダウンを着てないと震えるほどだったのに、急激に山の気温も変わってきているのだなと感じました。
山荘ではちゃんとストーブがスタンバっているのです。
眠りにつくときも長袖1枚で充分でした。
気温が下がる季節になると、シュラフカバーを持参します。
スリーピングバッグカバーやインナーシーツという商品名のものもあります。
これはけっこう優れもので、私はモンベルで購入しました。
山小屋やテントで寒いとき、これにすっぽり入ってから布団や寝袋に入ると、温かさが段違いです。
保温目的の他に、清潔感を求める人にもいいと思います。
山小屋は水に恵まれている立地には、ほぼありません。
今年のように、梅雨が長引いたり雨が多い年には、布団を干すこともままなりません。
シーツを洗うことができず、布団を干すこともできない。
当然、布団は毎晩みんなの汗を吸ってジメジメしてきます。
万年床と同じですよね。
枕に手ぬぐいを置く人は多いですが、男性は割とそのまま寝ている方も多いですから、臭いを感じることもあります。
シュラフカバーは頭まですっぽり入れますし、帰ったら洗えばいいのです。
テントにしろ、シュラフカバーにしろ、こんなに薄い生地がこんなにも防風や保温に役立つんだなぁと寒い季節は特に思います。
さて帰りましょうか。
さよなら、笠サマ。
またいつか。