登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

高尾山のおとなり 草戸山へ

アルプスのでっかい景色も大好きだけれど、天気がいい休みの日に
「よし、今日はあの山に行ってみっか〜」
と軽い荷物でさっと山へ向かえる、今の季節が好きです。

夜勤明け。
北風は強いものの、夕方まで快晴の予報。
どこ行こっかなぁ〜と考えました。
京王線の終点、高尾山口駅から高尾山への道と分かれて草戸山という山に道が続いているのを、先日初めて知りました。
そういえば、地図で高尾山をじっくり見たことがなかった。
高尾の地図は、JR大月駅あたりの山を歩く時に見るだけでした。

高尾山口駅に着くのは正午を過ぎてしまうから、往復2時間ほどなのもちょうどいい。

高尾山口駅には、平日ですが紅葉のトップシーズンで快晴とあって、思った以上に人がいました。
昼時ですから、どこのお蕎麦やさんもいっぱいです。
たくさんの人が頭上にスマホをかまえています。

草戸山への道に向かうのは…予感はあったけれど私ひとり!
静かに歩けるのではないかと思ってはいたけれど…こんなに少ないなんて。
実際、山の中で会ったのは20人ほど。
高尾山口駅のトイレに並んでいた人数より少ないし!

住宅街の細い、ほんとに細く、すれ違うことのできないような道から登り始めます。
目印は、甲州街道沿いの「橋本屋」さん。
その裏側をぐるりと囲うような道があり、そこに

両脇は住宅なので、ご迷惑にならないようにします。
はじめは道は狭いですが、すぐにステキな道になります。

いい道〜。
決して広くはないけれど、すぐに歩きやすくなります。
1人でのんびり歩くにはサイコウ。

歩き始めてしばらくは、高尾山口駅あたりのざわめきが聞こえていましたが、今聞こえるのは、風が葉っぱを揺らし散らす音、スニーカーが枯れ葉を踏むシャクシャクという音、京王線のゴトンゴトンというレールの響きだけ。

陽の光を透かした葉っぱがほんとにきれい。
おっ、きのこ。

鉄塔に木がからんでいます。
新しい鉄塔に役目を譲ったのでしょう。
すぐ近くに新しい鉄塔がありました。

草戸山の標高は△367ですから、高尾山口駅からの標高差は180m足らず、距離は3.8kmで1時間10分ほど。
小さくアップダウンが続きますが、危険箇所もなく、分岐ではしっかり教えてくれます。

山頂はそんなに展望はありませんが、ベンチなどもあり、休憩にいいです。
今日の山ごはんは…とっておきの手抜きメシを持ってきたのです。
家でチンしたパックの大盛ご飯に…
いただきものの、今半のスキヤキをのせるだけ!

うきうきして、鍋に中身をあけ、斜めに切ってきたネギも入れ、かきまぜようとしたら…
箸もスプーンも忘れてる…
食後のお茶を飲もうと思っていたコップで混ぜ、かっこむことに。
スキヤキは、何で食べたっておいしい!

しかし…人が来ると恥ずかしいから中断するので、なかなか食べ終わらない…
「高尾山じゃなくて良かった…」
心からそう思いました。
たくさんの人がいる中でコップでご飯を食べるのは、ちょっと無理だった。
帰ってから、そう話したら、
「高尾山の山頂だったら、(茶屋で)箸もらえるんじゃない?」
おっしゃるとおりです。
でも…きっと…高尾山は混んでるから、違うところ(一丁平とか)で食べてたと思うもん。
そしたら、箸くれるような茶屋ないもん。

1時間も休憩してました(=食べ終わらないから)。
山頂から、まずは「大地沢青少年センター」方面へ下山します。
城山湖のダムを見ようと思いまして。
途中に「境川流入口」とあり行ってみたかったんだけれどトイレにも行きたくて、境川源流をあきらめました。
また次回に。

すぐ分岐になり、今度は「はなさき休憩所」方面へ。
一歩一歩が大きい階段。
これ、私はつらいなぁ。
はなさき休憩所の少し先から、城山湖が見渡せます。

金比羅さんで手を合わせ、振り返ると、イチョウがダンスをしていました。
きっと蜘蛛の糸でしょうけど、いきなり宙に浮いているもんだから、楽しく見ていました。

結局、トイレを見つけられず林道を歩き、「大戸バス停」着。
バスで橋本駅へ。

草戸山、なんで今まで知らなかったんだろう!
これからは高尾山が混んでいる季節でも気にせず歩けるなぁ。
次はこの先、城山を経由して相模湖に下りたりもいいなぁ。

また手ぬぐいを買ってしまいました。
銀杏、桜、天狗の3枚。