五竜山荘について(山小屋のご案内)| 白馬岳だより(株)白馬館
今回のメイン「五竜岳」
おとなりの唐松岳もそうですが、ゴンドラやリフトであっという間に標高を上げることができ、眺望もいいため人気の山です。
「五竜山荘はいつも混んでいる」
山でたまに他の登山者と話すと、そう聞くんです。
「混んでるなら、きっと行くことはないんだろうな」と思っていました。
コロナ禍で山小屋に泊まる人数が制限されている今ならいけるかも、と天気を見て2日前に申し込んだのですが、紅葉前の平日のため空きがありました。
こんなことがなかったら、行ってみたいけれど行けない山、のままで終わってしまっていたと思います。
良かった、来れて。
帰ってきた今、本当にそう思います。
受付を済ませ、まず着替えてサッパリします。
汗でかなり冷えてしまったようで寒く感じてダウンも着ました。
トイレの中に更衣室もあります。
よ~し、小屋前のベンチで五竜岳から雲がとれるのを待とうっと!
なんか炭酸が飲みたいけれど、コーラとファンタグレープか…
缶だと半分以上残さなくちゃいけないしな。
炭酸、いっぺんに飲めない。
リポビタンDにしました。
けっこうおいしいんですね~。
手ぬぐいもやっぱり買いました。
こちらは人気のTシャツらしいのですが、お酒が飲めないので…
いつまでたっても五竜岳が見えないので、いったん寝床へ戻ります。
窓から見える景色は、窓枠が額縁で絵画のようです。
雲がめまぐるしく動くから、いつまでも見ていられる。
天井が高くていいなぁ。
正座して頭が当たるってところもありますから。
え?
畳、約5枚の幅に定員16人?
横になっているのも合わせると7.5帖なのだけれど、ここに16人?
涸沢並みなんだ…
いつも混んでいるという理由がちょっと分かりました。
寝返りをうたず、棒のようになっていればいけるのかもしれないけれど、体格のいい人がいるとちょっとキビシイ…?
ザックは廊下だな。
でも2段✕16人のザック=32個がズラリ…?
やっぱり二度と泊まれないかも。
受付時、まず驚いたこと。
朝食の時間が5:00~7:30で、幅があること。
ご来光を五竜岳の山頂で見ようとすると、山小屋の通常の朝食(5:00~6:00)だと食べられません。
7:30ならゆっくり下りてきても余裕があります。
時間の幅をもたせてあるのがすごくいいな、と思いました。
いつもそういう理由で、山小屋で朝食を食べなかったから。
稜線にある山小屋ですが、宿泊者は水を無料でいただけます。
お湯は500ml、100円でした。
お腹が弱い人は天水だとダメな場合もあるので、心配ならペットボトルを購入した方がいいです。
布団を敷いてシュラフカバーの中にくるまって休んでいると、外が明るくなりました。
急いで外に出てみると、青空と雲海。
みんな思い思いの場所でただ、空と雲と山を眺めています。
すごくいい時間。
みんなで同じものを見ている。
でもそれぞれの時間を過ごしている。
1時間くらい眺めていました。
小屋の周囲を歩いていると、食堂の窓枠にでっかい蛾。
もふもふしていそう。
ジーっと観察。
夕食の時間です。
食事も密にならないように、3回に分けていました。
この小屋は珍しく厨房が丸見えです。
なんか懐かしい。
ずっと前からカレーのいい匂いがしていたのです…
早く食べたい!
カレーの他に、コロッケやナゲット、生野菜、フルーツもありました。
味噌汁とカレーはおかわりできます。
カレーは辛いのにとてもおいしくて、もちろんおかわりしました。
体がぽっかぽかになり、ダウンはすぐ脱ぐことに。
ベンチでのんびりしていたとき。
15:00過ぎに到着した男女が受付に向かいました。
本当はここではなく、3時間弱先にある唐松岳頂上山荘に予約を入れていたそうですが、時間的にも体力的にも難しいと判断したのだと思います。
しかし、五竜山荘も定員を減らした状態での満室だったので、ちょっとしたやりとりがありました。
結局、どこかの部屋をあけて(?)泊まってもらえるようにしたようです。
本来泊まる山小屋へのキャンセルも、五竜山荘の小屋の人に頼んで断られていました。
定員を減らして予約を受け付けている状態で、もしその2人が予約を入れていなければ、ここが満室だったことを考えても、唐松岳頂上山荘にも誰か泊まれたかもしれません。
山小屋は天候が悪ければ簡単にキャンセルされてしまいますし、こういうキャンセルもあるのです。
それでも受け入れるしかありません。
予約を入れた小屋にどうしても泊まるために、何が何でも無理して歩かなればいけないとは思いません。
暗くなって動けずに救助を呼ぶことになったら、そのほうがずっと大変なことになるからです。
自分の体力・技術力の精一杯で計画をたてるのではなく、余裕をもった計画にしなくてはいけない、とその2人を見て改めて思いました。
続きます。