登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

山小屋の個室利用

白馬岳の山行を書く前に…

その1は当日に書いたのですが、あとはスマホの限りある電池を大切にしなければならないので、ブログを書くときはいつも、帰ったあとに、歩きながらメモしたものを見て書いてます。

今日は、猿倉へ下山したあと、帰りの高速バスを待ちながら書きました。

 

 

海の日連休や紅葉などのハイシーズンには「1つの布団で3人が寝る」などという、そんなんじゃ絶対に疲れなんてとれるわけなかろう…? と、容易に想像できる詰めこみが当たり前だったコロナ禍前の山小屋。

私は平日にしか行かないので、いちばん混んでいるときでも2つの布団に3人でした。

北アルプスの水晶小屋でのことです。

布団が意外と大きかったのと、一緒に寝たのがとても小柄な女性2人だったので、なんだか申し訳ない気持ちになり、ありがとうの気持ちを込めて、真ん中に寝ました。

真ん中なので溝にはまって寝心地は多少悪くなりましたが、狭くてつらいという思いはしたことがありません。

 

「追加料金を払ってもいいから、ひとつの布団を独占して快適に寝たい!」

ずっと、そう思ってきました。

コロナ禍になり、山小屋が収容人数を半分以下に減らしての営業になったことについては、本音を言えば結果的に良かったと思うのです。

 

それに伴って、小屋の収入を下げないために料金がアップするのは、当然のこと。

快適と引き換えですから、5割増しでもいいです。

ここで言う「快適に寝たい」とは「寝返りが片方にうてるスペースがほしい」の意味です。

仰向けからコロンと横向けになれればいい。

ダブルベッドの大きさ、なんて思っていません。

シングルベッドよりも狭くていいんです。

もともと、山小屋の布団は小さい。

これにひとりで寝られれば大満足なのです。

 

山小屋に泊まる人は、

・テント泊の重たい荷物を背負って、歩き通す体力がない=軽い荷物で山を歩きたい

・天候に左右されずに、安全な場所で過ごしたい

・食事は作らない、作れない(最近では、テント泊の登山者にも食事を提供する山小屋もあります) 

などの理由で、山小屋を利用します。

以前はテント泊の料金は1,000円をきっていましたが、今は2,000円以上のところも。

 

今は山小屋泊ばかりですが、テント泊も好きでした。

夜中に目を覚ましてテントからピョコッと顔を出せば、満天の星が自分めがけて降ってくるかのように感じられたものです。

朝晩の寒さや、テントの布地をうつ雨や風の音も含めて「山にいる!」と、より実感させてくれるのもテント泊の魅力のひとつですが、テント、寝袋、マット、季節によっては防寒具などが増えるので、もちろん重くなります。

それらを持たずに山を歩くには、山小屋に泊まるしかない。

山小屋に泊まる人がお金持ちというのではなく、それら(ザックの重さや安心感)と引き換えだと承知しているから、泊まるのです。

 

最近では、個室を増やした山小屋もあります。

1人で個室を希望すると高そうですが、2畳くらいの個室がある山小屋もあり、それだとけっこうお安め。

+5,000円までなら個室にしています。

そりゃ、5,000円は高い。

下界でその金額をお支払いすれば、かなりおいしいものを食べられるでしょう。

でも、いびきで眠れない、ヘッドランプをいきなり顔にピカーッとあてられて目を覚ます、なんてことがなくなるんですよ。

 

そして、私はたいてい山小屋には昼過ぎに到着しています。

そこから翌朝まで、ほかの人の目にふれずに着替えたり、支度したり、ゴロゴロしたりできると思うと、滞在時間に換算すれば高くないと思うのです。

13時に到着したとして、17時間滞在で5,000円。

どうでしょう。

グループなら、1人あたり1,000円くらいのアップですむ小屋もあります。

 

今まで、八ヶ岳の黒百合ヒュッテ、北アルプスの双六小屋などで個室を利用しました。

いずれもそうしてよかった、と思える滞在でした。

ほかにも個室がある山小屋はありますが、あまりお高いとちょっとね…

 

今回、白馬山荘で2畳の個室を予約しました。

泊まるのが8/20以降なので、個室料金は3,000円(8/19までは4,000円)でした。

私は1人で泊まりますが、2畳の部屋は2人で使えます。

割れば1人あたり1,500円ですもん。

価値ある3,000円です。

 

山小屋の存在は、登山道の整備など含めて、私たちが安全に山を歩こうとしたときに絶対に欠かせません。

山小屋の収入が減って、山小屋そのものがなくなってしまったら…

トイレもない、水場もない、いざとなったときに頼ることもできないのです。