玄関を入ると、ほとんどからっぽの靴棚。
今まではここにギッシリ登山靴が入るくらいの人数が泊まる小屋だったのだろうな…
山小屋の経営が、本当に心配です。
来年も営業できるのか…
2枚布団が敷ける場所を1人で使います。
カーテンがあり、両側は壁なので今日も個室感覚。
夜、ヘッドランプの灯りにうかぶステンドグラスがきれいでした。
ザックを置き、汗を拭いて少しゆっくりしたら、今回の山歩きのメイン!
ライチョウ探しに出発~。
上司はヘトヘトでしたが、これのために脚の痛みを我慢して登って来たんですもん。
「平らな道なら大丈夫…」
と小さい声で言うもんで。
そう、じゃあ少しだけ行こう。
外は12℃で、10月半ばとしては相当暖かいと思います。
小屋から10分くらいのところまでしか、上司は歩けませんでした。
ハイマツはあるので、
「姿を見せてあげてくれ!」
と、見えないライチョウに祈りましたが、そんなに都合よくはいかず、ただのおやつタイムとなりました。
上司のさらに上司と、ツレが持たせてくれたおやつを食べ、しょうがパウダー入りのミルクティを飲みながら、雲がわく常念岳を眺めます。
少しヒンヤリしてきて、小屋に戻りました。
「ライチョウいなかったね」
上司に言うと
「でもいいんだ。こんな景色を見られるとは思わなかったから。きっと一生なかったと思う」
そっか、良かった。
写真で見るのと、実際この大きな景色に身を置くのでは全然違うのだから。
30分ほど、お湯(1リットル300円です。ありがたい!)を飲んで暖まりながら、寝床でごろごろ。
16:00前からずっと、ひとりで夕陽を待ちます。
日没は17:00ですが、その前から空の色はずっときれいですから!
上司もヨロヨロ出てきました。
東側一面が雲海にうつる、山の影でできたブロッケン現象。
写真には撮れませんでしたが、肉眼で見ると尖った▲の影の周囲に半円の虹ががうっすらできていました。
上司も大興奮。
あと少し早く外に出ていれば、太陽がもっと上にあったから、自分の影でできたかもしれないなぁ。
他の山ですが、以前、自分の影でできたブロッケン現象を参考に載せます。
なかなか神々しい。
刻々とかわってゆく空の色を眺めているだけで、本当に幸せな気持ちになります。
前は夕陽、振り向けば雲海。
どんだけ贅沢なんでしょう!
17:05 前穂高岳に太陽が沈みました。
17:30 夕食
温かい食事でポカポカになりました。
外に出ると、昨夜よりずっと空が広いから、視界を埋め尽くさんばかりの星!星!星!
少し見上げているだけで流れ星はいくつも見えるし、天の川も。
白くぼんやりと雲海も明るい。
その2つの灯りの間、下の方がぼぅっと白く光っています。
あ!
涸沢のテント場の光だ。
大盛況なんだろうな。
2つある小屋は満員らしいけれど、テント場は予約不要だったはず。
涸沢の紅葉、きれいなんだよなぁ。
寝るまで、何度も何度も、星を見に行きました。
暑くて毛布はかけませんでしたが、上司は寒くてたまらなかったそうです。
言ってくれれば、毛布あげたのに!
5:00に部屋が明るくなり、起きました。
2リットル以上、お湯やお茶、味噌汁を飲んだにもかかわらず、夜中トイレに起きなかったということは、明らかに脱水症状だったな。
外に出てみるとガスで真っ白け。
こりゃ朝陽は見られないなぁ。
残念。
となると、ライチョウは?
天気が悪いと遭遇することが多いと言われるのです。
期待しながら、ライチョウを探してみましたがダメでした。
6:00 朝食
下山準備をします。
続きます。