登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

奥之院 高野山へ その4

奥之院へ向かいます。

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出てすぐ、朱色の鳥居がたくさんある細い通路がありました。
清高稲荷大明神です。
おまいりをしようとしたら、するどく高い鳴き声。
なんだ?
鹿が3頭、並んでこちらを見ていました。

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途中の赤松院の仁王像もかっこいい。

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持明院から15分ほど歩けば、奥之院の入口です。

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奥之院は、高い杉ばかりなのに明るくて、墓地というよりは…なんだろう、人工物が多いのに自然の中にいるように感じます。

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森の中だからでしょうか。
苔むした墓石が、時を感じさせるからなのでしょうか。
山を歩いているようです。
ずっとそこにある、というか…

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千の風になって」では、「私のお墓の前で泣かないで。私はそこにいないから」と歌っていますが、一の橋から約2キロの参道には20万基を超える墓石が並んでいます。

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武田信玄上杉謙信織田信長明智光秀豊臣秀吉…敵味方は関係ないのか。
死んじゃったらもういいのかな。
空海さんのそばで眠れば浄土へゆける、と信じられてきたからこそなんでしょうね。

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伊達政宗だ!

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企業や個人の墓石もたくさんありました。

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墓石の詳しい場所は、宿坊協会中央案内所で100円で販売しているマップに載っています。

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姿見の井戸では、思い切って底をのぞいてみました。
うつらなかったら3年以内に死ぬって脅すんだもん…うつったから、ほっ。

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みろく石を持ち上げてみたら重たく感じたから、私は悪人なんだ…やっぱりか…
 

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奥之院のつららがすごい。
年末年始はこの前より強烈な寒波がやってくるそうだけれど、ここはとても寒くなるんだろうな。
 
高野山では、空海さんは衆生を救うために今も瞑想を続けているとされています。
空海さんが生きる奥之院は聖域なのです。
1日2回、空海さんに食事を御供えする儀式である「生身供(しょうじんぐ)」が1200年以上続いています。
2回目(10:30~)に立ち会うことができました。
見学は自由ですが、邪魔にならないよう脇で一列で静かに見守ります。

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御供所(ごくしょ)で作られた食事は、まず「あじみ(書かれている漢字が見つからないので平仮名にします)地蔵」での味見を経てから奥之院へ運ばれます。
奥之院の手前「御廟(ごびょう)橋」より先は聖域のため、撮影禁止です。
 
食べない食事を毎日運んでママゴトのようだ、と言う人もいるかもしれません。
けれど、空海さんが生きていると信じ、毎日食事を作り、運ぶ人がいる。
1200年もの長い間、このことが続いてきた。
その事実があるだけです。
朝のお勤めも何もかも、他の誰が見ていなくても、ずっとずっと毎日続いてきたことです。
何を言いたいのか、分からなくなってしまいました。
言葉が浮かばないけれど、私も、空海さんがいてずっと祈ってくれているということを信じたいと思いました。
 
山で感じていることと同じかもしれない。
私が知らない頃から、その景色はずっとそこにあり、これからもきっと変わらずにそこにある。
だから心を動かされるのかな、と思います。
この場所にいるだけで、とても大きな時の流れを感じました。
 

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金剛笑菩薩のしおりを買いました。
この笑顔にやられました〜。
ほかにも高野山参拝記念の手ぬぐいや、布巾など。
般若湯」とは、お酒を飲めないことになっている僧侶たちのために、クスリとして少し飲むなら…と考え出されたものだそうです。

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ほかにも、ここならではのお土産として…陀羅尼助丸(だらにすけまる)という胃腸薬をおく薬局がいくつかありました。

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持明院に寄り、預けていた荷物を受け取ります。
「良いお年をお迎えください」と言っていただき、本当に良い年にしたいなと思いました。
 
さて、私の四国札所巡りは2017年の秋に始まり、3年後に終えることができました。
もう帰る時間です。
行きと同じくケーブルカーで下り、南海高野線に乗り換えます。
九度山駅で、少し停車。

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ホームの店は何だったのだろう、と見てみるとおにぎりなどを売っていたので買おうと思ったのですが、先客がたくさん購入しており時間切れ。
残念。

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JR和歌山線に乗り換える橋本駅で柿の葉寿司を買いました。
改札にある「柿の葉すし たなか」
季節限定のエビもあり、サバ・鮭・鯛と4種類を購入しました。
一口サイズで、あっという間に完食。
柿の最中もおいしかった。
 

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驚いたのは…JR和歌山線に、車内でSuicaなどのICカードをタッチする駅があったこと。
扉の前、全部にこれがあります。
無人駅はここでタッチ、乗降客が多い駅はここでなく外でタッチ。
 

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新大阪に向うため、特急くろしおに乗ります。

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なんか、顔がパンダみたいだなぁ〜と思ったら!
車内もパンダでした。
今年、パンダの赤ちゃんが産まれたからですって。
和みます。

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今年も読んでくださり、ありがとうございました。
来年も、状況をよく見ながら山を歩けたらと思います。
どうぞ、良いお年をお迎えください。
穏やかな年になりますように。