登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

雨の日のスタイル

雨具選びで知っておきたい「耐水圧」と「透湿性」 - ウェザーニュース

私には、雨の日に歩く格好が2通りあります。

 

まずは、オーソドックスに。

mont-bellのストームクルーザーの上下です。

岩場や、標高の高い稜線を歩く時間が長いときにはコレ。

そろそろ他のレインウェアも試したいのに、一向にへたりません。

8年過ぎたよなぁ、確か。

手入れをキチンとすれば、着る頻度にもよるのでしょうが、10年もちます。

レインウェアは高いけれど、ちゃんとしたものを買ったほうがいいです。

 

先代のレインウェアも、10年目に岩でギギギと擦ったために買い替えました。

それがなければ、もっと着られた。

薄紫色で、とても好きだったな〜。

 

 

最近見つけて気に入っているのが、MILLET(ミレー)が出している、撥水素材の巻きスカートです。

完全防水ではありませんが、お風呂場で水をジャバジャバかけてみたらコロコロと玉になって転がる撥水素材の生地です。

それを、水が入りにくい縫製で仕上げているとタグに書いてありました。

 

男女兼用です。

男性だって、巻けばいい!

雨が降り出したけど、すぐやみそう、とか森の中を歩いている、なんてときはレインパンツはくの面倒ですもん。

 

これだけ丈が長いと足捌きが…と心配されると思います。

もちろん、岩場をガシガシ登るときは向いていません。

そういうルートのときは、いちばん上の写真の組み合わせのものにします。

 

以前は、mont-bellの膝丈のスカートでした。

使うたびに、あと少しだけ丈が長いといいな、と思っていました。

10cmくらいの違いですが、この差は大きいです。

歩行をジャマしないように膝丈なのでしょうけど…

そして、MILLETでこの黄色に一目惚れしたのです。

他に、紺やカーキもありました。

 

スカートは、ほかの使い方もできます。

女性のみなさま、ルート上にトイレがなくて切羽詰まるときありますよね。

夏なら汗でほとんど出ますが、夏以外の季節だとそうもいかない。

すぐ思い浮かぶのは、日光白根山(日光湯元まわり)や雨飾山

どちらも7時間以上のコースですが、トイレは登山口に戻るまでありません。

男になりたい、とこういうとき思います。

沢沿いなどを避けて、ここならしてもいいよね…? という場所を探し当てても、お尻を出す勇気、いや違うな、こんなことで勇気という言葉を使っちゃいけない。

羞恥心だ。

お尻を出すとなると…

羞恥心でいっぱいです。

スカートを巻けば、その羞恥心を少しだけ緩和してくれるはず。

「雨だけでなく、視線も防ぎます」

キャッチコピー、こんなのどうでしょうか。

 

レインパンツがいつも面倒なのです。

雨は急に降ってきますしね。

そのとき、座れるとは限りません。

まず、ザックにカバーをかぶせます。

立ったまま、レインパンツの中が汚れないように、ビニール袋を登山靴にかぶせて着ます。

 

 

もうひとつの組み合わせは、こちら。

青と黄色の組み合わせ、いいなぁと思っています。

青いポンチョは、「パックラップレインコート」といいます。

mont-bellのアウトレットコーナーで見つけました。

これの先代は、コロンビアのポンチョでした。

原付での通勤にも使っていたため、さすがに縫い目のテープ部分のシールがもろくなってきたので買い替えに行ったら、店頭にあったものは生地がガッチリしすぎていて…

これじゃ夏に着れないな、とmont-bellへ。

アウトレット品でないコーナーにあったものは、20リットルほどのリュックが想定。

そのときそれくらいのリュックを背負って試したのですが、いつもの大きめザックだと背中の上部がパツーッとなりそうなので、やめました。

 

レインウェアは、

表地ー雨や風を防ぐ「メンブレン」という極薄のフィルムー裏地の3層(3レイヤーと言われます)

のものが、お値段がいちばん高いです。

レインウェアは価格を抑えるため、裏地無しでフィルムがむき出しの2層にしたり、フィルムとはくっつかない状態で裏地としてメッシュの生地がついていたり、山ではなく日常で使うレインウェアならファスナーを完全防水にしない、などメーカーごとにさまざまなレインウェアを出しています。

 

着心地は、裏地がある3層がいちばんいいです。

裏地がないと劣化が少し早かったり、着たときにペタペタする感じがあります。

 

今は、防水は当たり前なので、透湿性が注目されています。

蒸し暑いですもんね〜。

MILLETの代表作、ティフォンのシリーズがいちばん抜けがいいと思います。

レインウェアの表面には、雨粒は通さないけれど、それより小さな粒である水蒸気は出せるという無数の穴があいていて、蒸れを発散させるのです。

 

ポンチョは透湿性とは関係ありません。

だって、そもそも下が開いてるんですもん。

空気が出入りできるので、蒸れとは無縁。

 

パックラップレインコートには裏地がない2層です。

この面積の大きさで、いい裏地をつけてしまったら…

それこそお値段が高くなります。

 

丈は、ザックを背負わずに着れば膝下丈ですが、40リットルのザックを背負って着ると、お尻が隠れるくらいの丈になります。

ポンチョは、風で捲れ上がると思われそうですが、ここまで生地が張られていると、捲れ上がる余地がありません。

タグには20リットルのデイパック対応、とありましたが、試着した際に背中の上の部分にかなり余裕があったので、背の高いザックでも着られると思い、買いました。

 

膝下までの濡れは、MILLETの巻きスカートで防ぎ、足元はゲイターで防水。

登山靴の中が濡れると靴擦れの原因になります。

 

 

山でポンチョはダメだ、とよく言われますが、私はポンチョがいちばん好きです。

ザックを背負ったまま脱ぎ着ができるので、晴れたり降ったりを繰り返すときだって、脱ぎ着でウンザリしない。

あまりに脱ぎ着を繰り返すと、だんだんイヤになってくるんです。

そして面倒くさくなって、どうせすぐやむからもう着ない! と決心したときに限って降り続けたり。

 

でも、いちばんの好きポイントは、ザックが丸ごと濡れないから。

ザックカバーをかけても肩や腰のポケットは、カバーの中に入らないので濡れちゃうし。

ポケットにスマホや小物、歩いているときにちょこちょこ書いているメモ帳を入れてるので、そこも覆いたいのです。

濡らしたくないから、とザックの中に入れちゃうと、また出さなきゃいけない。

 

ポンチョがダメな理由は、風が下からも吹き荒れる稜線では、捲れ上がるからでしょう。

でも大きいザックを背負って、裾が広がっていないポンチョを着たら、捲れ上がらなかったんです。

これを試したときは、オーソドックスな組み合わせのものも持っていきました。

ポンチョがダメだったら生死にかかわるかもしれませんし。

そして大丈夫だったので、それからはポンチョの出番が多くなりました。

 

 

今は、樹林帯の中で折りたたみ傘をさして歩く方も増えてきています。

行き違いが大変な狭い道ではご遠慮願いたいですが、たとえば上高地から横尾などでは、片手がふさがりますが折りたたみ傘で歩くのがいちばん蒸れないし、快適だと思います。

私は手ぶらで歩きたいから、やりませんけども。

 

昔は、傘なんて非常識だったと思います。

でも、それぞれが山を歩き続けて、自分の歩くスタイルに合った道具を模索して使いこなしてゆく。

それもおもしろいではないですか?

見た人がマネをし、良ければ取り入れて、そうする人が増えれば、それもひとつのスタイルになってゆく。

 

濡れからくる冷えをきちんと防げれば、歩行に支障がなければ、周りに迷惑をかけなければ、そういう制限はつきますが、いろいろ試してみればいいと思います。

私も考えて、試してみて、今のスタイルになりました。

 

最後に。

レインウェアをザックに入れるときです。

レインウェアに付属の袋がついていることも多いですが、だいたい小さい。

ほんとにこれに入るの?

キッチキチじゃん。

ってことも、あります。

その袋は他のことに使いましょう。

ゆるめに入る袋にゲイターやザックカバーなど、雨グッズをまとめて入れておけばいいのです。

レインウェアのファスナーを開けておいたほうがいいと思えばそうすればいいし、しめてキッチリたたんで入れたっていい。

いつも同じ折り目にならなければ大丈夫ですし、山に行くとき以外は吊るすか、折り目をつけないように保管します。

 

 

それにしても、mont-bellさん。

なぜ、ゴアテックスを使ったレインウェアをこのお値段で出せるのでしょうか…

他のメーカーは、オリジナルの素材で作ったり、ゴアテックスを使うなら裏地を工夫したり、価格を抑えたりしているのに。

でも、今着ているストームクルーザーがへたったら、MILLETの代表作ティフォンを試したいなぁ。

レインウェアと思えない着心地なんですもん。