登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

那須岳へ その1

朝風呂は、あんまりゆっくり入っちゃうと体がのんびりしてしまい、登る気がなくなってしまうのでザッと出ました。

豪華な朝ごはんで、お腹いっぱーい。
白米はおかわりしないつもりだったのに…
おひついっぱいあったのに…
全部食べてしまった(3回おかわり!)。
昨夜あんなに食べて、そのあとは寝ただけ。
それなのに朝起きると、ぐぅぐぅ。
なんでだろうか。

宿の真ん前に「湯本1丁目」バス停、路線バスを待ちます。
北風が冷たい〜。
歩道のそこかしこから、硫黄の匂いと湯煙が立ち上っています。
あの下は温泉の通り道なんだなぁ。

f:id:yueguang:20201031183410j:plain

9:17にロープウェイ乗り場に着きましたが、けっこう並んでおり、私の前で9:20の便は時間切れ。
次の9:40発になりました。
風速は20mで、もう少し強くなるとロープウェイは運休になるそうです。
運休になったら日帰りの場合、どうやって下るのだろう?
那須ロープウェイ(公式ホームページ)

f:id:yueguang:20201031183448j:plain

今日は、峰の茶屋を通って朝日岳に登る予定でしたが、ロープウェイを下りると風がごぉごぉと唸りをあげています。
風速20mって、台風なみだもんなぁ。
ロープウェイの改札のお姉さんが言っていました。
峰の茶屋で風にあおられて滑落して、血を流しながら下山してくる人もいる、と。
確かに以前歩いたときに、他の場所では大したことなかったのに、峰の茶屋に着いた瞬間に突風が吹いてヒヤッとしたことがあった。
普段から風の通り道で2倍近い風になることもある場所だ、と分かっていて今日歩くのは間違っています。
朝日岳に行けないのは残念だけれど、峰の茶屋を通るのはやめよう。
明日は今日より風が弱まる予報なので、明日の道は、朝になってから考えよう。

f:id:yueguang:20201031183613j:plain

10:00
気温は0℃。
暖か下着+長袖、手袋、ニット帽で出発!
このときはまだ関東平野が見えていました。

f:id:yueguang:20201031183656j:plain

小さな氷の粒が、四方八方からビシビシ飛んできます。
痛いよぅ。
風で寒いより、氷が痛い。
バラクラバ(目出し帽)が必要だったか!
あとメガネも欲しい。
目にまで氷の粒が当たる〜。

ニット帽の上に、長袖のフードをかぶり、ジップを引き上げ鼻まで隠します。
今度は湿度で鼻水が出てくる。
でも痛みには変えられない。

f:id:yueguang:20201031183822j:plain

10:05
分岐
みんな、茶臼岳の山頂に行きますが、私は左の「牛ヶ首」へ。
上はもっとすごい風だろうな…
分岐は地図付きでしっかり分かるようになっています。

茶臼岳の山頂には、もともと行くつもりはなかったけれど噴気孔は見たかった。
でも強風に加えて、雪までちらついてきました。
周辺も白いガスにつつまれ始めます。
う〜ん、いっか。
前回の金峰山みたいだ。

f:id:yueguang:20201031183938j:plain

高雄口」分岐からは、昨日手を合わせた殺生石へ2時間ほどで下ることができます。
明日も風が強かったらこのルートにしよう。

10:30
牛ヶ首
すぐに姥ヶ坂分岐
この道標の後ろから噴煙が少し出ていました。

f:id:yueguang:20201031184022j:plain

ここからしばらく下りです。
5分ほど下った頃、茶臼岳が壁になったのでしょう、嘘のように風がやみました。
風の音は時折ひょぉひょぉ聞こえますが、全く寒くないのでニット帽をしまいます。
雲間から射す陽の光が、黄葉の山にスポットライトを当てている!
う〜ん、秋だなぁ。
氷の粒はふわりふわりと舞っていてきれいだし、ここからは楽しい散歩になりそうです。
ところどころ、粉砂糖のような雪がついています。

f:id:yueguang:20201031184130j:plain

へぇ〜、茶臼岳はハイマツが低いところからあるんだ。
それだけ過酷な環境なんですね。

f:id:yueguang:20201031184204j:plain
f:id:yueguang:20201031184235j:plain

10:50
姥ヶ平
f:id:yueguang:20201031184421j:plain

ここは明治におきた茶臼岳の大噴火で、ほとんどの木々が枯れてしまったそうです。
そっか、噴火したのね…と、茶臼岳を振り返ると…
風はやはり強いままなのでしょう、雲はどんどん形を変え青空も見えており、くぼみから蒸気が右に流れています。
期待してなかったのによく見えたからビックリしちゃった。
噴気孔を見に行くより、こっちの方が良かったかも!
茶臼岳全体も見えますし、迫力ありました。

f:id:yueguang:20201031184636j:plain
f:id:yueguang:20201031184743j:plain

このあたりは、ツキノワグマが暮らしています。
出会い頭にならぬよう、カーブで先が見通せないところは、目も耳も集中させて慎重に歩きます。

以前は鈴を鳴らしていたけれど、奥多摩で出くわしてしまった経験があるので、今では鳴らして歩きません。
もともとうるさくてイヤだったし。
熊にも個体差があるでしょうし、上高地などの観光地や民家に現れていることを考えると、人を恐れるという説を信用していません。

f:id:yueguang:20201031185235j:plain

葉がぜんぶ落ちた枝先や、足元を彩るカラフルな落ち葉。
晩秋だなぁ…

緑が目にいいとよく言われますが、晩秋のくすんだ色も目に優しいと思います。
葉が落ちた木々の合間に、ぽつんぽつんと山吹色やくすんだ赤がスタンプを押したように山を彩ります。
ここに陽の光が当たると、なんとも柔らかないい色なんです。
だから秋の山も好き!
新緑だって、もちろん美しいですよ。
だから春と夏の山も好き!
冬の白い山も好き!
どの季節の山も好き、ということです。

11:20
姥ヶ平下
f:id:yueguang:20201031185307j:plain

11:45
沢を渡ります。
ここからしばらくは上りですが、距離は短いです。

f:id:yueguang:20201031185432j:plain

12:00
小屋への最後の分岐です。
ここからはだらかないい道。

f:id:yueguang:20201031185403j:plain

朝日岳に行かなかったため、最短ルートで三斗小屋温泉に到着してしまいました。
まだ12:20、早すぎるよなぁ。
この気温でテントの人いるんだ…めっちゃ寒そう…

f:id:yueguang:20201031185505j:plain

煙草屋の前を過ぎ、少し石段を上ると木の鳥居がありました。
温泉神社です。

f:id:yueguang:20201031185544j:plain

少し寒いなぁ。
部屋には入れずとも中で待たせてもらえないだろうか。

f:id:yueguang:20201031185639j:plain

続きます。

那須湯本温泉 鹿の湯 清水屋

勤務明け、那須温泉へ向かいます。
職場から最寄りの駅の駐輪場で料金を支払おうとすると
「山に行くの? いいなぁ、天気最高だね!」
と、係のおじちゃんが笑顔で
「いってらっしゃい!」
と見送ってくれました。
いいことありそう。

高速バスに乗り、すぐ熟睡。
佐野サービスエリアで休憩のあとは、おにぎりを食べて、青空とずっと続く山並みを眺めます。
明日も晴れるといいなー。

那須温泉に近づくにつれ、木々は大きく揺れ、葉っぱがどんどん落ちています。
舞う、というより強風に吹き飛ばされている…
明日ロープウェイ、運休しないよね…

f:id:yueguang:20201029200452j:plain
那須温泉
終点で降りると、強烈な硫黄の匂い!
いいねぇいいねぇ。

f:id:yueguang:20201029200529j:plain

まずは温泉神社におまいり。
紅葉が美しい。
前回は新緑のときでした。
https://www.xn--rht69ve7eiq5c.net/entry/2020/06/26/%E9%82%A3%E9%A0%88%E3%80%81%E5%A4%A7%E4%B8%B8%E6%B8%A9%E6%B3%89%E3%81%B8

f:id:yueguang:20201029200559j:plain

神社の奥に進みます。
f:id:yueguang:20201029200702j:plain
f:id:yueguang:20201029200738j:plain

大きな手のお地蔵さまがたくさん、殺生石へ。
この数のお地蔵さまをひとりで彫ったなんて…驚きです!
祈りが届きますように。
静かに手を合わせます。

f:id:yueguang:20201029200800j:plain

殺生石からすぐ、「鹿の湯」という温泉があります。
f:id:yueguang:20201029200827j:plain

今晩の宿は、旅館清水屋。
「鹿の湯」の民宿街を歩いていきます。
へ〜、共同浴場もあるんだ。
f:id:yueguang:20201029200900j:plain

中から出てきたおじちゃんが
「山から下りてきたの?」
いえ、明日登るんです。
「今日が良かったねぇ〜、最高だったと思うよ」
私もそう思うのですが、今日は勤務明けでして、新宿からここに来るので精一杯です。
「明日はどこまで?」
三斗小屋温泉に泊まります。
明後日は三本槍岳や朝日岳を歩こうと。
「じゃあ、北温泉に寄りなよ。いいお湯だよ」
北温泉ですね、調べてみます!

共同浴場にも入ってみたいなぁ」
と思っていたら、
「清水屋さんは、鹿の湯の源泉を引いているから、ここまで来なくてもゆっくりしたら?」
何から何までありがとうございます。

f:id:yueguang:20201029200941j:plain

宿に着いて地図を見たら、予定していた三本槍岳から朝日岳に行く道じゃなくて、三本槍岳から違う尾根を歩けば、北温泉へ寄れる。
せっかく教えてもらったのだから、その湯につかりに行ってみよう。

f:id:yueguang:20201029201036j:plain
すぐに宿のお風呂へ。
民宿も多いし、鹿の湯は湯治宿のようだけれど、お風呂に行くまでけっこう階段を下ります。
足が悪いとキツイかも…?

大浴場入口の手前には、卓球台やレトロなポスター。
f:id:yueguang:20201029201103j:plain
f:id:yueguang:20201029201129j:plain

だーれもいない湯船にゆっくりつかります。
手足をのびのび〜、ぽっかぽか。
乳白色?
違うな、少し緑がかつている。
いい色〜。
露天風呂の温度が好みでした。
ずっと入っていられます。
あがる前に、内湯の右側にとぷん。
f:id:yueguang:20201029201230j:plain
左側は熱くて熱くて!
とてもムリ。
源泉そのままで薄めていないから50℃以上。
浴槽の手前には、たまった湯の花がとろんとしていました。
やっぱり硫黄の温泉は乾燥します。
保湿はしっかりとしなければ!
f:id:yueguang:20201029201414j:plain
鹿の湯は、日本有数のイオン濃度の源泉だそうです。
それをかけ流しで堪能できます。

糊がパリッときいた浴衣を着て、部屋で明日からの登山のための登山届を書いたり、ブログを書いたり。
部屋に洗面台とトイレはあります。
灰皿があるせいか、ちょっとタバコ臭いかなぁ〜。
暖房を消して、ずっと窓を開けていました。
f:id:yueguang:20201029201300j:plain

食事は部屋食。
やっと夕食です。
お腹すいた〜。
f:id:yueguang:20201029201331j:plain
写真のほかに、刺し身、焼魚、椎茸にしんじょうが詰められた汁物がつきました。
ひとりですから、つい早食いになります。

寝る前にも湯につかり、ぐっすり眠りました。
月がきれいだ。

朝食はこちら。
f:id:yueguang:20201030075737j:plain


路線バスで、那須岳ロープウェイに向かいます。

続きます。

奥秩父 金峰山&瑞牆山へ その2

7:20
来年の秋、ここから雲取山まで歩こう!と思いつつ、出発。


f:id:yueguang:20201029215808j:plain
なぜ、石を重ねただけなのに強風でも崩れないのだろう。

7:35 分岐
道は凍っていてザクザクと、チェーンスパイクがきいて歩きやすい。
f:id:yueguang:20201029220041j:plain

八ヶ岳南アルプスの大パノラマがすごくきれい!
f:id:yueguang:20201031171707j:plain

稜線まで上がると、澄んだ水色と白で描かれた絵のような富士山。
雲海や、山々が重なり合って水色の濃淡でつくるグラデーションも本当に美しい…
また涙が出そう。

f:id:yueguang:20201031161308j:plain

葉っぱに積もった雪がウェアや手袋についても、乾いているので全く濡れません。
雪がない箇所もちらほら出てきました。
露出した岩は避け、雪が積もっている所を選んで歩きます。

8:05
砂払ノ頭
この手前でチェーンスパイクを外しました。
昨日登るときにチラチラ雪が舞っていただけの道にも、少し積もっていました。
f:id:yueguang:20201031161407j:plain

8:55
大日岩
このあたりの岩は本当に大きいです。
どこから来たの? と聞いてみたくなります。
f:id:yueguang:20201031161515j:plain

鎖場は3ヶ所ありますが、下りは鎖に助けられました。
f:id:yueguang:20201031171246j:plain

9:10
大日小屋

すれ違う人たちから
「上は雪ですか?」
ハイ、少し積もっています。
「私(僕)たちでも登れますかね?」
「アイゼンないけど、どうですか?」
知りません、一緒に登ったことないので。
冷たいようですが、行けないとも行けるとも答えられない。
責任とれない。
言えるのは「雪がある」という事実のみです。

秋で埋めつくされた明るい森の中を気持ちよく歩きます。
f:id:yueguang:20201031161606j:plain

9:50ー10:00
富士見平小屋

f:id:yueguang:20201031161712j:plain

タイムは予定どおり。
瑞牆山に登れそうです。
トイレをお借りし、小屋のすぐ前のテーブルの下にザックを置いて財布とスマホとカメラだけ持って出発してしまいました…そうです、飲み物を忘れました。
もっと暑ければ、すぐ引き返しました。
そしてタイムオーバーなので、そのまま下山したと思います。
あまり暑くなかったので、行けるところまで行っちゃおう! と思ってしまいました。
そこから戻ることも考えなきゃいけないのに。
天気が良くて、どうしても行きたくなってしまったんです。
判断ミスですね〜。
帰ってから膀胱炎になりました。
次回からは、どんなことがあっても水を取りに戻ります。

富士見平小屋から10分後、小川山への分岐から天鳥川までは下りです。
腕もつかい、全身で登るのが気持ちいい!

f:id:yueguang:20201031161823j:plain
f:id:yueguang:20201031162342j:plain

瑞牆山頂まであと10分の鎖場は、鎖に頼りました。
ここはいつもジメジメしていて、岩が滑るのです。
ほかの鎖場は岩をまわりこんだりして、使わずに済みますのですぐ鎖をつかまず、ルートがないか探してみてください。

11:20
瑞牆山 山頂に到着!
f:id:yueguang:20201031162102j:plain

空身だから早かった。
山頂は狭くないですが、けっこう混雑しています。
たくさん抜いたことを考えても、これからどんどん登ってくるでしょう。
ぐるり景色を眺めて、すぐ下山します。
喉も乾いたし…

f:id:yueguang:20201031162252j:plain

12:30 
天鳥川から少し登り返します。

12:50
富士見平小屋
水場に駆けより、おいしい水をごくごく。
f:id:yueguang:20201031164110j:plain

視界が秋の柔らかな色でいっぱい。
もったいないので、ゆっくり下ろう。
f:id:yueguang:20201031164214j:plain
f:id:yueguang:20201031164242j:plain

13:30
みずがき山荘
金峰山小屋で一緒だったご夫婦に、ハンバーグ定食を勧められたけど、ハンバーグサンドしかない…
サンドイッチはハムとか玉子で薄いのがいいの。
迷う…豚丼にしよう!
f:id:yueguang:20201031164323j:plain
う〜ん…可もなく不可もなく。
次は、絶対に富士見平小屋のきのこうどんにしよっと。
f:id:yueguang:20201031164354j:plain
昨日通ったときにメニューが外に出ていて、
「明日はきのこうどん(秋だからきのこがおいしいかと)にしよう!」
って決めてたんですよね。
やっぱり自分で決めたことがいちばん。
自分で選ばなかったことで後悔するのが1番いやです。


みずがき山荘から韮崎駅行きの路線バスに乗ります。
正面に富士山みえる
瑞牆山から見たときは雲多めだったけど、今はくっきり、青空に映える。
これからどんどん白くなるんだろうなぁ。

今日と明日登る人は最高の天気だけど、私は一気に冬になった昨日を体験できてよかった。
昨日何も見えなかったからこそ、早朝に息をきらせて登った金峰山からの眺めが忘れられないものになりました。

電車の窓から見る夕陽。
さっきまで、私はあそこにいたんだ。
山にいたんだ。

家に着いたのは19:00。
昨日の朝、5:30に家を出てからのたった2日間で、冬と秋の季節を体験したのもそうだけれど、10年前に妹とテント泊で歩いた道をまた歩けて良かった。

次回は那須岳です。

奥秩父 金峰山小屋

小屋に着くと、ほっとします。
ポンチョについた雪をはらって中に入ります。
f:id:yueguang:20220210183658j:plain
ご主人が迎えてくれました。
「なんで半袖? 寒くない?」
ちょうどよいです。
濡れたものを、竿を使って高いところに引っかけて乾かしてもらえます。
乾燥室があるのは北アルプスだけかと思っていたら…ありがたい!
f:id:yueguang:20201029213734j:plain

手ぬぐいと、1泊2食の料金をお支払いします。
山の手ぬぐいは、それを使うたびにその山を思い出させてくれます。
f:id:yueguang:20201029213833j:plain

登り始めは半袖でも暑く、たくさん汗をかいていたので、小屋に着いてすぐ着替えました。
あっと言う間に体が冷えていくのが分かるくらいでした。

トイレは外にあります。
小屋を出て右に10歩。
その中の気温はマイナス1℃。
f:id:yueguang:20201029213957j:plain
手を洗う水、冷たっ!
この水風呂に入ったら、間違いなく心臓とまる…
小屋内はストーブがついているので、ダウンを着ていると暑いくらいです。

f:id:yueguang:20201029214042j:plain
タツでまったり。
水を得るのも苦労が多い稜線の小屋なのに、ココアなど温かい飲み物が、滞在中飲み放題とは…

茨城県から来たご夫婦とぽつりぽつり、今まで登った山のことを話したり、本を読んだり。
今回は北村薫さんの「八月の六日間」を持ってきました。
コロナ対策で談話室の本がない(ここにはありました)ところもありますし、電車に乗っている時間にも読みたい。
山で、山の本を読む。
いいものです。

f:id:yueguang:20201029214837j:plain

ここの住所だ〜。
f:id:yueguang:20201029214320j:plain

15:30頃には雪もやみ、雲は厚めながら燃えるような夕焼けを小屋からすぐの場所で見ることができました。
f:id:yueguang:20201029214421j:plain

外は氷点下なのに、気づいたら40分も眺めてた…
f:id:yueguang:20201030073114j:plain

18:00
待ってました〜、夕食です。
なにこれ!
すんごいおいしそうなんだけど!
チキンステーキ、ポテトサラダ、でかいメロン。
f:id:yueguang:20201029214625j:plain

おかわりにいくと、カレーをかけてくれます。
おかわりお願いします!
「ご飯、どのくらい?」
お皿の半分くらいを指で示すと
「…けっこう食べるね」
スミマセン…お腹すいてしまって。
おいしかったので一気に食べてしまいました。
f:id:yueguang:20201029214707j:plain

55人定員を、今年は20人にして営業しているそうです。
今夜は12人。
ゆったり眠れそう、と思ったのに…寝床は羽毛布団だし快適だったのですが…
f:id:yueguang:20201029214751j:plain

夜中、目が覚めました。
隣の女性のイビキがまじですごい…

トイレに行きたくて目が覚めた、と思うことにしよう。
イビキで起きたんじゃいやだ!

外に出たら…ちょっと期待はしてたけど…
満天の星。
くっきり、天の川。
街の灯り。
風もまったくない、静寂の世界。
何度、息をするのを忘れただろう。
立ち尽くしていました。

夜中のトイレ棟の気温はマイナス3℃。
ということは、外はもっともっと低いはず。
バケツの氷は分厚い。
それでもずっと見ていました。
f:id:yueguang:20201029214946j:plain


5:00前に起き、登山靴にチェーンスパイクをつけて5:15に出発。
くるぶしまで積もっています。
深いところでは、ふくらはぎまで。
爪先がジンジンしてきます。

鹿の足跡を追っていきます。
f:id:yueguang:20201029215048j:plain

こんなに時間がかかっては、太陽が昇るのに間に合わない。
f:id:yueguang:20201029215123j:plain

早く早く、山頂へ。
山頂まで行かないと全く見えないから。

「おねーさんの足跡を追っていけばいいんだよ!」
下からそんな声が聞こえてきます。
いちばんに出発したら、そうなるわなぁ。
自信なし。
雪で道が完全に埋もれている。
ハイマツやシャクナゲかどうか、よく知らないけれど、ともかく植物を踏まぬよう、岩にだけ足を置くように、細心の注意をはらいます。

f:id:yueguang:20201029215229j:plain

5:45
やっと着きました。
富士山だ…
涙が出てきました。
あまりにきれいで。

f:id:yueguang:20201029215418j:plain

5:55
太陽が昇り始めました。

f:id:yueguang:20201029215502j:plain

五丈岩まで行こうと思いましたが、団体さんがワイワイ向かったのでやめました。
山では静かな時間を過ごしたい。
遠くから手を合わせます。

f:id:yueguang:20201031172249j:plain
前に鳥居があるんですよ。
小屋で買った手ぬぐいもその柄です。

朝食は6:00からですが、ご来光を見に行く場合は後ろにずらしてくれます。
6:40にしてもらいました。
瑞牆山に登るとなると、7:00過ぎには出発したいからギリギリ。

f:id:yueguang:20201029215639j:plain

干しエビ入りのお粥が出てきました!
ご飯のお供がなくてもいいくらいのおいしさ!
お粥だけでまず1杯、おかわり!
うまい〜、しみる〜。

冷え切っていた体が暖まりました。
出発です。

f:id:yueguang:20201030073236j:plain

続きます。

f:id:yueguang:20201030072937j:plain
f:id:yueguang:20201030073159j:plain

奥秩父 金峰山&瑞牆山へ その1

始発でJRの韮崎駅に向かいます。
曇のち雨の予報だけれど、電車の窓から見える空は青く、雲がぽこぽこ浮かんでいます。
このまま天気がもってくれるといいな。

高尾駅で松本行きを待つ数分がとっても寒かった!
今年初めて寒いと思いました。
松本行きは登校時間と重なっていたため、高校生がどんどん乗ってきます。
スマホを見ているからなのか、コロナのためか、こんなにたくさん若い子がいるのに静かな車内。

相模湖、四方津猿橋、大月…降りたことのある駅をいくつも通り過ぎ、今まで登った山を思い出しながら山々の稜線を眺めます。
西に進むにつれ、雲がどんどん増えていく。
やっぱり予報どおりかなぁ…

山梨市駅〜」のアナウンスでふと顔を上げると、白い頂の富士山が。
こんなに一気に真っ白になったのか!
冷えたもんなぁ、ここ数日。

韮崎駅に着き、ホームのベンチで冷え切った素足(行き帰りは足を解放したいからサンダル!)から、靴下をはいて登山靴に。
富士山だけでなく、八ヶ岳も白いなぁ。

8:50発「みずがき山荘」行きの路線バスに乗ります。
3人しか乗ってない…前は同じくらいの季節、ギュウギュウの車内で立って1時間乗ったんだけどなぁ…途中から乗ってきた観光客が文句を言うくらいの混雑だったんです。

ただ、このバスは時間が悪いのは確かです。
このバスでは日帰りができない。
登り始めが10:00過ぎになってしまうから。
となると、日帰りの登山者は車でしか来れない。

f:id:yueguang:20201029171035j:plain

10:10
トイレを済ませて登り始めます。
標高は1510m。
ここから5km、標高差1000mほど登ります。

f:id:yueguang:20201029171107j:plain


10:35
瑞牆山が見えるベンチ
f:id:yueguang:20201029171136j:plain

10:50
富士見平小屋 標高1810m
手前に水場があります。
f:id:yueguang:20201029171159j:plain

瑞牆山金峰山は、この小屋から道を分けます。
今日は金峰山へ。
すぐ鹿に出会いました。
f:id:yueguang:20201029171231j:plain

雨具を着るほどではないですが、たまにパラパラと雨が降り始めました。
樹林帯はこんなとき、屋根になってくれます。

f:id:yueguang:20201029171314j:plain

11:40
大日小屋 標高2040m
f:id:yueguang:20201029171345j:plain

12:00
大日岩 標高2170m
f:id:yueguang:20201029171424j:plain
ここで雪になりました。
乾いた雪なので全く濡れません。
雨より良かった。
涼しくてちょうどよいです。

静かな山歩きです。
自分の呼吸音、足音、はおったポンチョに雪が触れるカサッという音しか聞こえません。
何度も何度も深呼吸します。

f:id:yueguang:20201029171532j:plain

12:10
小川山との分岐
f:id:yueguang:20201029171454j:plain

根っこが元気だなぁ。
f:id:yueguang:20201029171607j:plain

少しずつ積もってきました。
f:id:yueguang:20201029171638j:plain
f:id:yueguang:20201029171709j:plain

木なのか岩なのか…
f:id:yueguang:20201029171742j:plain

ポンチョは本当に便利です。
今回は稜線歩きが短いのと、風も8mほどの予報で、迷いなくポンチョです。
脱ぐのもはおるのも楽ですし、ザックまでかぶせればザックの背や肩の部分が濡れないのがいい!

13:10
砂払ノ頭 標高2317m
f:id:yueguang:20201029171826j:plain

稜線に出た途端、雪が真横から飛んできます。
笑ってしまうくらいすごい雪!

f:id:yueguang:20201029171919j:plain
f:id:yueguang:20201029171949j:plain
f:id:yueguang:20201029172024j:plain

手がかじかみますが、手袋をするほどでもなく濡れないので快適です。

f:id:yueguang:20201029172104j:plain
鎖場が2回出てきますが、登りでは使わずに行けそうです。

13:30
金峰山小屋への分岐 標高2497m
f:id:yueguang:20201029172203j:plain

山頂は明日にしよう、きっと真っ白だから。
木々が雪を遮ってくれ、ゆっくり歩けるようになりました。

f:id:yueguang:20201029172241j:plain
f:id:yueguang:20201029172309j:plain
f:id:yueguang:20201029172334j:plain

13:50
金峰山小屋に到着
f:id:yueguang:20201029172408j:plain

雪のおかげで、予定より1時間も早く着きました。

続きます。