冠婚葬祭の場でよく見かけませんか?
裏がべろーっと剥がれてしまった靴。
足を持ち上げるたびにベロンっと持ち上がり、着地するときにペタン。
1歩1歩、歩くたびに音がして恥ずかしいですよね…
たまにしか履かない靴に起こる現象ともいえます。
理由は
- 保管場所が悪かった
- 単純に劣化。いつも履いていないから気づかなかった
ほとんどの接着剤に共通することだと思われますが、最初の柔らかなトロトロの状態から、少し乾くことで接着力を発揮するわけです。
暑い場所にずっと保管していると靴底の中で、この接着剤が溶けてしまい剥がれるのです。
買った箱のままでの保管もやめましょう。
剥がれた場合の応急処置としては、セメダイン発売の「シューズドクター瞬間接着剤」がいいかもしれない、とは思っているのですが…できれば試したくない。
底が剥がれた靴をワイヤーやガムテープでぐるぐる巻きにして歩き続ける光景…山の中で何度も見ていますが、「お気をつけて」しか、かける言葉が見つかりません。
私は幸い一度もありませんが、毎回チェックは欠かしません。
今までは合う登山靴がずっと見つからず、頻繁に買い替えていたおかげで劣化することもなかったのですが、ゴローの靴はずっと履き続けられそうなので。
剥がれてしまったらそのときの現在地にもよりますが、登山をやめて下山しなければならないかもしれません。
応急処置はできたとしても、またいつ剥がれるか分かりません。
ましてや、そのままで歩き続けるのは危険ですから。
剥がれた靴裏で石や木の根の上を歩くのは不安定、雨が降ってきたら染みて靴擦れやマメの原因になる、などなど。
出発前には靴底のチェックもしましょう。
あと、足つながりで、足の爪を山に行く間際に切るのも避けた方がいいです。
誤って深爪にしてしまうと、歩くたびに痛みがでることも。
以前、どこかの山で出会った方が、自転車のタイヤのチューブをカットしたものを持参していると教えてくださいました。
整地された場所を歩くのではない登山。
紐ではすぐ切れてしまいます。ガムテープも弱いしベタベタになるそうです。
以前、上司や同僚と山へ行きました。
山が初めての上司。
「でも初心者って思われたくない」
え? 誰に?
私以外みんな初めてって、周知の事実じゃん。
誰に対して見栄を張りたかったのか…意味不明。
中古の有名ブランドの登山靴をオークションで2万円で購入した、と聞いて「バッカじゃないの…」と言いました。
思うだけでなく言いました。
その日だけで20回以上。
だって、その金額払うならこんな何年前のだか分からない(しかもサイズ感がイマイチだったらしいです)のじゃなくて、最近の軽量化された登山靴が余裕で買えるでしょーが!!
つーか、スニーカーでいいって言っただろーがっ!
登り始めて5分もしないうちに、先頭を歩いていた私を呼ぶ声が聞こえました。
「ペース速いですか?」
「ううん、ちょっと来て…」
はーい。
先頭なので振り返れば、その日一緒に歩いている全員が見えます。
集団の後ろに、登山道には通常あまり見えない色が見えました。
黒いものが点々と。
「なんだ、あれ?」
と思いつつ、最後尾の上司のところへ。
「剥がれちゃった…」
!! 黒々としたものは上司の剥がれたボロボロの靴底。
ザックから小さなビニール袋を取り出し、ダッシュで回収。
恥ずかしいから。
歩き始めて30メートルくらいで剥がれ始めてるし。
役に立ってないじゃん。
まぁ、家からここまでの距離も歩いてきてるけど。
なんて、どーでもいいこと考えつつ回収を終え、上司の隣へ。
「そっち(反対側の靴)も貸して!」
「え?こっちはまだ剥がれてないよ」
「絶対すぐ剥がれるから!! 一応見せて!」
「やだよ、剥がれてないんだから」
あーはいはい。
はい、1分もしないうちに。
また呼ばれました。
同僚たちは爆笑。
ポロポロ剥がれていました。
同じ条件なんだから、遅かれ早かれ同じ運命なんですってば。
両方の靴の高さがそろったから歩きやすくなりましたね!
またダッシュで回収。
上司は、小学校の時に履いていたような薄ーい上履きの底みたいな状態で歩くことになりました。
「痛いでしょうし、帰れば?」と冷たく言いましたが、本人が歩きたいと言ったので距離を短くすることにして、最後までみんなで歩きました。
自分でもできるだけ平らなところを選んでいたそうですが、やはり小石を踏んでも痛かったそうです。
歩いている最中は何回尋ねても「全然平気!」って言っていましたが。
どんだけ強がりなんだ。
帰り道、新しい軽登山靴を15000円で購入したそうです。
さすが上司。おっかねもち~。