ここの小屋番さんたちは、いつも気持ちがいいです。
涸沢は特に若い方が多いような気がしますが、涸沢ヒュッテは元気でよく気がつく子が多いなぁ、という印象を受けました。
行き届いている、という表現がしっくりきます。
例えばお湯をもらいに行きます。
ポットの場所を指示され、入れようとすると空っぽ。
「忙しそうなのに、無料でもらえるお湯のことを言いに行くのもなぁ。後にしようかな」と考えていたら、「もしかしたら少なくなっているかと思って」と先ほどポットの場所を聞いた女の子が新しいポットを持って後ろにいました。
こんな嬉しいビックリが滞在中に何度かあるので、私はすっかり涸沢ヒュッテのファンです。
声掛けするときの笑顔もみんな良かったな。
接客って、言葉遣いじゃないって思います。
笑顔と、少しだけ丁寧な言葉(ですます、くらい)。
これで充分気持ちいい。
ここのテラスも最高で、ビールとおでんを手にみんな幸せそう。
最高の展望台ですよ。
一度座ったら動きたくない。
暗くなってから外に出ると、色とりどりのテントの中の淡い灯りがきれい。
残雪シーズンだと、白い中にぼぉっと浮かび上がって見えます。
トップシーズンはテント場がギッチリ埋まります。
秋の紅葉シーズンの長~いトイレの列。
あの光景、忘れられません。
良かった…上(穂高岳山荘)で行っておいて。
あれは一体、どれだけ待てばトイレに入れるのか。間に合わない人もいるんじゃないか…?
ここは私が人生で初めて「大人買い」をしてしまった場所でもあります。
「これ全部ください」
全く迷いませんでした。
小さなジップロックから予備に持っていた1万円を出して。
手ぬぐい7枚、バンダナ1枚。
何やってるんでしょうね。
後悔は微塵もありませんけどね!
会社に持って行ったら、「え…これをひとつの山小屋で? バカじゃないの?」と驚かれましたけど。
お気に入りだからたくさん使って、くたくたに柔らかくなり色褪せてきた手ぬぐいは、それぞれの山のいい思い出です。
写真を見ずとも、手ぬぐいを使うたびに「あのときの山」の風景がはっきり思い出せます。