怖いものですね…普段は遠回りになっても、原付で大きい道路はなるべく走らないようにしているのですが、国道を走らざるを得ない今、常に追われているようで心拍数が上がりっぱなしです。
しかも雨。
車は少しもスピードをゆるめることなく、スレスレで追い抜かれます。
脇道があればそっちを進みますが、そんな道ばかりではありません。
歩いていたときはあんなにウンザリしていた住宅街、のんびり走れてほっとします。
18番 恩山寺へ。
やっと着いた…空海さんの母ゆかりのお寺です。
ここだけにしかない摺袈裟(すりげさ)の御守りがあります。
滅罪生善(めつざいしょうぜん)=悪いことを良いことに変える
棺桶に入れると極楽浄土に行ける
そんな一生モノ(1年ごとに変えたりしなくてよい)の御守りなんです。
袋から出さずにもっていないといけないそうなのですが、納経所(御朱印を書いていただくときに申し出ます)では、そんなこと教えてくれません。
近くにいたツアーの中にはすぐに袋を捨ててしまったらしき人たちがいて、不機嫌そうでした。
そりゃそうなりますよね…せっかくの御守りなのに。
この「袋」とは、恩山寺の袋のことを指しています。
この袋に入れて祈祷をしているのでここから出してはいけないそうですが、授与されたときにすぐ出してしまいました。
だって知らなかったから…
ツアーを率いていた女性が私にもこっそり教えてくれました…ありがとうございます!
19番の奥之院 取星寺(しゅしょうじ)へ。
勝負事の前に行きたいですね。
星を取る!
本堂のご真言、呟いてみたけれど…長くて難易度が高い。
ここをおまいりすれば勉強ができるようになるって書いてあったけれど、これを覚えられるくらいならすでに頭いいと思う。
奥の大師堂に「大師の足形」が。
もちろん、素足になって上がり、拝みました。
健康になれる!
やったぁ!
健康がいちばん。
空海さんの足、でかすぎやしませんか?
私、25cmですが…60cmくらいありそうですよ。
晴れてきたので、そばの石に腰かけてしばらく日向ぼっこ。
ずっと原付に乗っているのも、同じ姿勢なので腰に疲れがたまるのです。
ここは八十八ヶ所でないせいか、誰も来ません。
本日は土曜日なので、さっきの恩山寺はすごく混んでいたのに。
気持ちいいところなのにな…。
なんだか、もったいない。
19番 立江寺へ。
お遍路なんてしなさそうなおじちゃん(ごめんなさい!)が、原付で走るにあたっての注意や、走りやすい道を教えてくれました。
そして最強、Googleマップを教えてもらいました。
恥ずかしながら、ガラケーからスマホに変えて半年くらいの頃でした。
そんな便利なもの、知らなかった。
スマホをくるくる回していた(大体、こういう人って地図を読めないんですよ)私を見て
「お前、何してるんだ?」
「最初に踏み出す1歩の向きが分からないんですよね~」なんて答えたら…
「お前、バカか?」
と。
スマホを持っているのに、固定した地図を見ているバカがいるのか、と。
出会うみなさん、本当に親切な方が多いんです。
ここは本堂なのですが、お賽銭がくいこんでいます…
どうしてここに刺す?
空海さんと握手します。
取星寺の足形から想像するに、空海さんは体が相当大きいと思うんですよね。
これから先、大きな空海さんとけっこう出会うのですが、本当はどのくらいの身長だったのかなと思いながら見上げていました。
ここ、立江寺には12時過ぎに着きました。
13時からの護摩に参加したいことと、宿坊に宿泊する手続きをしたい旨伝えました。
前に女性が宿泊して、「ひとりでも大丈夫」と言っていたのに、夜中に怖くなって出て行ってしまったこともあったらしいです。
私は、怖いのは人だと思っているので、ひとりでも平気だと思うけれど…
「護摩のあと、どうするの?」
雨もすっかり上がったし、20番に行ってここへ戻ってこようと思っていました。
「時間がもったいないし、先に進んだら?」
と言ってくださったのですが、
「宿坊に泊まると、本堂などを見せてもらえるので泊まりたいんです」
と伝えたら、案内していただけました。
天井の絵は、美大生の方たちが描いたそう。
今は有名になっている方もいるとか。
ご好意で本堂をじっくり見ることができました。
ここは阿波の関所でもあり、心がけの悪い者は山門から進めず天罰が下るとのこと。
13時から20分間の護摩修行。
あれ? 私ひとり?
たくさん人がいたから、護摩に合わせて来ているのかと思ったのですが…
パチパチ火がはぜる音。
目が充血するくらいに、白くけぶる。
炎の鮮やかな橙色。
燃える匂い。
五感で感じたことは、ずっと記憶に残る。
続きます。