73番 出釈迦寺(しゅっしゃかじ)へ。
空海さん、ダメでしょ。
いくら心を決めたとはいえ、7歳でこんなに高いところから飛び降りたですと?
飛び降りたら確実に死ぬ高さですよ、ほんとに。
捨身ヶ獄までは1.4kmほどなので登ろうかと思ったのですが、さっきの弥谷寺で歩き回ったのがアザにひびいてきており、やめました。
鐘のつきかたの注意書きが良かったです。
今日はたくさんのお寺で鐘をつかせてもらえました。
ぽぃ~~ん、柔らかな音がとても好きです。
これからは音が響いている間、ずっと祈ります。
鐘の連打は、緊急事態を知らせる合図のこともあり禁止されています。
72番 曼荼羅寺へ。
ここは八十八ヶ所の中で最古のお寺です。
75番 善通寺へ戻ってまいりました。
京都の東寺のときと同じ。
本堂の大きな大きな薬師如来さまに圧倒されました。
ずっとずっと見ていたかった。
正面、横、どこから見てもいい!
こういう空間に身をおくと、ふと、普段は全く思わないようなことに気づき祈ることができます。
八十八ヶ所をめぐる毎日は、そういう場にずっと身をおけるということ。
だから、とても濃い日々です。
この手にたくさんの幸せがあることに感謝して、まわりの人を支えてゆけるよう、自分のだけでなく他人の人生も大切にできるような人間になりたいです。
「はたらく」は「働く」でなく「端を楽にする」
つまり、まわりをラクにするということだそう。
自分のために働くのではない、ってことですね。
五百羅漢さんをゆっくり見て回りました。
人間っぽい表情がいい。
似ている人をつい探しちゃいますね。
戒壇巡りもできした。
89mの暗闇をそろそろと歩きます。
目を開けてもつぶっても変わらない。
本当の闇。
生まれ変われたかな。
宿坊へ向かう廊下の頭上に、空海さんの一生が描かれていました。
お寺も大きいけど、宿坊もデカい!
250人も泊まれるんだ。
お風呂はなんと温泉。
浴槽が2つもありました。
夕食には鴨が出たし、酢の物などもおいしい。
部屋に金庫はありますが、部屋鍵はありません。
食事のとき、隣あわせたおじちゃん。
「毎年これでやめようって思うのに、やっぱり歩いちゃう」
そういうものですか…想像がつきません。
毎年1,400kmを歩くなんて凄いです、本当に。
70歳超えている白人のおばあちゃんにも出会いました。
日本語は全くできないけれど、もう45日歩いていてすごく幸せだと言っていました。
88番まであともう少し。
どうぞ、ご無事に歩ききってくださいね。
翌朝、6時からおつとめがありました。
仏像についての話を聞くことができました。
「明王」ってついたら怒っている顔、など。
舟をこいでいるお坊さんもいましたけどねー。
長いお経を読むのですが、この低音がまた、眠りたくなるくらい気持ちいい。
錫杖で頭をシャンシャンとしてくれました。
般若心境は基本的には抑揚をつけずに平たく、というのが一般的なのかもしれないけれど、どこかのお寺で3人組のお遍路さんが節をつけて唱えていて、それもすごく良かったです。
もう一度、戒壇巡りをしました。
昨日、ひとりでまわったときはいろいろなことを考えながらでしたが、今朝は「朝食の時間です~」と急かされながら。
急かすならやらなくていいのになぁ。
それに、昨日のように暗く感じなかったのが不思議でした。
昨日、ひとりでできて良かった。
ひとりで落ち着いての方がいいですよ。
おつとめ中はどしゃ降りだったのに、ぱぁーっと晴れてきました。
さて、もう一度、薬師如来さまに祈ってから出発します。