登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

奥穂高岳へ その2

5:30 上高地に到着〜。

バスを降りるとすぐに上着を取り出す人がいるほどの涼しさです。

 

河童橋、すいてる。

奥に見えているのが、今回登る奥穂高岳です。

 

さて、私はどうするか。

上高地から岳沢小屋までだと、3時間かからず(そこから奥穂高岳へは5時間ほど)に着いちゃう。

昼前の到着じゃあ、いくらなんでも早すぎて小屋の方にご迷惑。

う〜ん。

 

いいこと考えた。

徳澤園までお散歩しよう。

光が射し込む、すてきな散歩道です。

往復3時間かからないから、ちょうどいい(なにがだろう)。

4時過ぎにおにぎりと大量の枝豆を食べたけども、おいしい朝ごはん食べちゃう~。

 

徳澤園は、立ち寄りでも7時くらいから食事ができるのです。

みちくさ食堂 | 上高地 ─ 氷壁の宿 徳澤園

宿泊しての食事も、とってもおいしいんですよ。

と、徳澤園へ歩いていたのですが、途中で穂高神社奥宮に寄りたくなりました。

7年くらい前でしょうか、残雪の季節に上高地へ下山してきたときのこと。

涸沢と蝶ヶ岳を1日ずつ計画していたのですが、雪がグズグズで1歩踏み出すごとに太ももまでズッポリうまり、涸沢から下りてきたらもう、蝶ヶ岳へ登る気になれませんでした。

そのまま帰っても良かったのですが、なんだかもう1日、山の近くにいたくて。

上高地は高くて泊まれないし、徳澤園は満室。

「ここがダメなら帰るか」と、上高地から40分くらいの明神館で聞いてみると空きがありました。

ザックを置き、穂高神社奥宮に行くと

「明神に泊まるの? だったら、明日の朝早くに来るといいよ」

言われたとおり早朝に行くと、幻想的な風景が目の前にありました。

あの静けさ、今でも覚えています。

徳澤園ではなくて、穂高神社へ今年の山歩きの無事を祈りに行こう。

橋を渡ります。

 

3年前も、寄っていました。

厳かな気持ちになる。

そして、奥穂高岳へ登りたくなるんです。

 

今回も幻想的な朝もやが出迎えてくれました。

昨夜の大雨のおかげ。

明神池は拝観料がかかり、500円です。

おまいりだけなら、その手前からできます。

 

一の池。

 

二の池。

 

いい時間だったなぁ、おまいりできて良かった。

始発バスだったからこそ、朝もやを見られたし。

袋(御朱印帳入れのようですが、小物入れで使う!)と手ぬぐい、どちらも2種類あり、迷って1つずつ買いました。

袋は、黒✕金の組み合わせもかっこいい。

 

嘉門次(かもんじ)小屋の前を通るとパチパチと、火がはぜる音が聞こえてきました。

囲炉裏だ〜。

イワナの塩焼きが有名な小屋です。

 

梓川を上流から見て、穂高神社奥宮は右岸側。

左岸側はなだらかですが、右岸は石がゴロゴロしていたり、木道です。

サンダルから登山靴に履き替え、岳沢の登山口へ向かいます。

40分で岳沢登山口へ着きました。

約7kmのお散歩を終え、足慣らしもバッチリ。

7:50 岳沢登山口を出発

緩やかで歩きやすい道です。

奥穂高岳へ向かう人はとっくにここを通っているだろうし、岳沢小屋に宿泊するならまだ来ない。

静かです。

 

それにしても、あちぃ。

上高地に着いたときは、少し涼しく感じたけれどもう暑い。

妹とこの道を歩いたのは10年前です。

どんな話をしながら歩いたのだろう。

今回も来たがっていたけれど、小学生の子どもがいてハイキング程度はしていても、長らくアルプスからは遠ざかっていて

「行きたいけど行けない」

いつかまた、一緒に登ろうよ。

私の大きなお尻を見ながら歩くのが落ち着くそうで、いつも私が前を歩きます。

ツレも同じことを言うのですが…

なんなんでしょう。

そのせいか、先頭じゃないと落ち着かない体質になってしまいました。

誰かと歩いても、気づくと先頭に出ている。

ゆっくり歩こう。

昼前に着けばいいのですから。

ゆっくり歩いて、息が上がらなければ疲れないことを3年前に改めて学びました。

このとき、ひとりで歩くいつもの倍近い時間をかけたら、まったく疲れなかったんですもん。


いきなりヒンヤリ。

この冷たい空気を下界にお届けしたいくらいです。

それからも風穴はありました。

△1690

「天然クーラー」とある。

確かに!

そしてこの看板にはツッコミどころがありました。

岳沢小屋まで70分(消えかけていますが)と書いてある横に、95分とも。

どっちなんだよ!

山道の25分は大きいぞ。

やっぱり、山を歩く人は大雑把だなぁ。

「あと少し」という言葉、絶対信用しない方がいいです。

ほぼ、30分以上ですから。

下ってくる人は数人いたけれど、ほとんどすれ違わない。

夏、しかも快晴なのに。

岳沢小屋を過ぎると急坂ですから、下りで使う人が少ないのかな。

 

8:55 △1830 

上高地から△300(標高差300m)上がってきました。

中間地点だそうです。

文字もかわいい。

励みになる。

 

ときどき、視界がひらけます。

気持ちいいー!

 

凝った柄、毬のような蕾です。

アザミかな。

 

こまかな雫をびっしりまとって、きれい。

こうやって、ゆっくり見ながら歩けるのも、時間の余裕があるから。

いいなぁ、こういうの。

花の名前、ほとんどわからないけど。

穂高までは7時間以上なので、ここを歩くときはいつも急ぎ足でした。

もう急がなくていい。

体力が落ちてきた言い訳のような気もしますが、今の私、これからの私に合った歩き方で登山を続けていこうと思います。

 

細っこいオクラみたいなのが飛び出てる…

その下の淡い桃色がきれい。

 

日陰は少し涼しいけども、あちーあちー。

 

鮮やか。

ハッとしました。

 

クルマユリです。

なんか、どこを見てもきれい。

 

10:10 岳沢小屋に到着~

△2170

今日は10kmちょい歩きました。

枝豆は無事に消化してるだろうか?

 

 

続きます。