登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

山歩き、はじめどき

断言します。

オススメは、今!

秋。

これからの季節です。

はじめにイヤなところばかりだと、続けたくなくなっちゃうじゃないですか。

例えば、夏山だと…

「標高が高いんだから、もっと涼しいと思ってた(←朝晩は涼しいけれど、風がない日の昼間は暑い)」

「こんなに暑いのに、なんでダウン持ってかなきゃいけないの?(←でも、山頂で「持ってきて良かった」と言ってました)」

「見たことない虫がいっぱいいる(←誰にも初めてはある。次からは、見たことある虫ですね ♪)」

などなど。

 

秋の山歩きのいいところ

・汗をかきすぎない、爽やかな気温

・なんといっても、紅葉が美しい

・空が澄んできて、きれい

・日暮れは早くなるけれど、早朝の出発でも、まだそんなに寒くない

・下山後のグルメ(秋はおいしいものがたくさん!)

紅葉だって、登る山の標高を下げていけば1ヶ月以上楽しめますよ〜。

桜前線と一緒です。

九州や関東から東北の方へ、桜を追いかけていけますよね。

 

澄んだ空気の向こうに見える、すでに雪をかぶった山々。

その山に登りたくなったなら、今から10ヶ月かけて準備していけばいいのです。

知識を身につける、装備を揃える、歩き続けられる体力をつける…

 

お金も、遠くの山まで行く時間も、持っていなかった20代。

私は東京に住んでいますので、高尾山をコースを変えて3往復していました。

低山とはいえ、標高差は400mありますからね。

3往復もすれば、最初の頃はけっこう疲れたものです。

何度か行くうちに、3往復目でも疲れなくなってくるのを実感できて嬉しかったなぁ。

歩くことに慣れてきて、次はリュックにペットボトルを実際に飲むより多めに入れて登りました。

いつも同じ山を歩いたからこそ、体力がつくのも、タイムが縮んでいくのも分かる。

だから、続けてこられたのかもしれません。

 

山岳会や、経験者に連れられて登ったわけでもない。

雑誌や本を読んで得た知識を、山で試す。

自分に合っていなければやめて、違う方法を試す。

山から帰ると、ノートに記録し続けました。

気温がこのくらいで、この服装で行った、水はどれだけ持っていった。

使わなかったものは、これとこれ。

これはあれば快適だけど、なくてもいい。

…などなど。

先日処分しましたが、100枚の厚い大学ノート3冊にビッシリ書かれていました。

 

そういう積み重ねで、テント泊や、アルプスを1週間かけて縦走することもできるようになりました。

「登山を始めたいんです」

そう言って、お店を訪れるお客さま。

ザック、登山靴、レインウェアの大切さは伝わっても、

「下は、ユニクロのでいいですよね?」

私は、それでもいいと思っています。

そう、お答えしています。

驚かれますけど。

 

いきなり全てを揃えるのは、金銭面でも大変。

山を登りたいという気持ちがいつまで続くか、わからない…

1回でやめたくなるかもしれない。

 

ユニクロと比べて、5倍くらいの金額ですもん。

不要になったら、ガッカリしちゃうの分かります〜。

 

だから、はじめは登山用でなくてもいい。

でも、そのあとも登り続けているようなら、試着してみてほしいのです。

太ももを高くあげたり、膝の曲げ伸ばしをしたり。

登山用のパンツは、適度な厚みがあり、それでいて乾きやすく、膝が立体裁断になっていたりして、長く歩きやすいようにできています。

お金をかけるだけの価値はあると思っています。

何枚も買わなくていいんです。

今からだと探すのは難しいかもしれませんが、薄手のものを買って山で試してみて、生地が薄いと思ったらタイツを重ねればいい。

太ももが保温されていれば、暖かいのです。

 

でも、自分が買いたくなるまでは、乾きやすい素材であれば、どこのでもいいと思います。

まだ買う気になっていないときに買うより、そのお金で、山小屋ごはんを食べてみたり、下山後に温泉につかったり、山を歩くことの周りにあるもの全部、いっぱい楽しんでほしいです。

楽しいと、どんどん好きになると思うから!

 

そして、山を歩き続けていれば、

「こういうときはどうしたらいい?」

「何を着たらいいんだろう?」

と感じることがあるかもしれません。

そのときは、お店で相談してほしいのです。

一緒に考えて、楽しく山を歩けるよう、少しでもお手伝いができたら、嬉しいです。

 

「この前買ったアレ、よかったよ〜」

と、お店にまた来ていただけたときの嬉しさ。

楽しかった話を聞くと、私も幸せな気持ちになります。