登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

1枚で兼ねたい

よく、お客さまに言われるのですが…

「このパンツで一年中登れますか?」

う〜ん、たぶん暑いです。

裏が起毛してますし。

「このダウンで夏山と冬山、行けますか?」

無理!

ダメ!

 

普段の生活で一年中、同じ服装でお過ごしですか?

下着だって、冬はユニクロヒートテックに変えることもありますよね?

オシャレのためだけではなく、真冬の朝の寒さに着たい服と、夏にビアガーデンに行く服は同じなのでしょうか?

 

確かに山の服は、普段着よりはお高いと思います。

でも何着もいらないし、暖かくなってきた春〜初秋、晩秋〜早春まで、2組揃えてもいいのではないかな…

学生の頃の制服と同じ。

 

秋冬のパンツで裏起毛しているものがあるのですが、それを好む方がけっこう多いのでそう思うようになりましたが、私自身は、しっかりした生地のものを1年中はいています。

ケガ防止のためでもあります。

夏は確かに暑い。

でも、少し薄手のものにしたって劇的に涼しくなるとは思えないので…

まぁ、太ももが太すぎて選択肢がないっていう理由もあります。

 

裏起毛なんて、汗かいたら濡れてしょうがないけど、毎年買い足しているお客さまもいらっしゃるくらいです。

「普段でもはける」とおっしゃっていたので、普段着として着るのもいいかもしれないですね。

 

山では「着たら暑い、脱いだら寒い」

これではよろしくないので薄手のものを重ねて、脱いだり着たりを繰り返しながら歩きます。

面倒がって暑いのに着たまま歩けばたっぷり汗をかいてしまうので、面倒くさがりな私でも、これだけはこまめにやっています。

すべてが薄手なので、ドライナミックメッシュにスポーツブラを重ねたあとに着ているポリエステルの長袖は1年を通して着れるかなぁ〜。

私は、夏は半袖ですけどね。

あと肌寒いときに着ている、風はそこそこ防ぐけど、保温性はそんなにないもの。

ウィンドブレーカーと、みなさんが呼ぶようなウェアは夏も稜線で着るし、冬に長袖1枚じゃさすがに寒いか、という気温(私の場合は氷点下)のときに着ることもあるので、兼ねるっちゃあ兼ねるか。

 

パンツは夏でも岩場を歩いたり、標高が高い山へ行く方は、裏はサラッとしていても生地はしっかりしたものを選ぶこともあります。

それだと、冬でも標高がそんなに高い山でなければ薄手のタイツを重ねれば歩けますし。

それで1枚で兼ねる、ならオススメしますが、ほとんどはニュアンスが少し違うんだよなぁ〜。

 

いかに快適に歩けるか。

新宿から箱根まで行くとき、かかる時間は大して変わらないけれど、小田急線の急行で行くのと、ロマンスカー(指定席)で行くのでは、疲れもラクチンさも全く違いますよね。

アルプスの山々から帰るとき、平日の昼か遅い時間でない限り、あずさで帰ります。

高速バスの方が少し安いですが、渋滞になれば3倍くらいの時間がかかることがあります。

快適さと時間を、お金で買っている。

それと同じことだと思うのですけど、違うのでしょうか。

 

はけないパンツを買ってもしょうがないと思いながら、先日のサンプル品のセールに行ったとき、MILLETのしっかりした生地のパンツを買いました。

薄めのカーキ色と、膝の後ろの旧ロゴがかわいいなぁと思いまして。

なぜ、はけないサイズなのに買ったか。

目安というか、励みにしようと思いました。

ふくらはぎはきついがいける、太ももはまだいけない。

これがはけるように、夏までにがんばりたいと思います。

 

山の服は、一度そろえてしまえば、数年は買い替えずに済みます。

しっかりしたものが多いですから。

実際、10年を超えているものもあります。

着てみたいものがありすぎて買い足してしまっていますが、そうでなければ買わなくていいんです。

 

お客さまには、これから行く山のことを考えながらお気に入りを見つけていただけたら、と思います。