登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

すれ違いのルール

広ければゆったりすれ違えますが、だいたいが細い登山道。

すれ違うのもやっと…という場所も少なくありません。

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足元の植物にも気をつけたいです

 

山側の反対は、谷側(崖側)という言い方をします。

 

待つときは山側の、そのあたりでできるだけ広い場所。

絶対に谷側で待たないでください。

楽にすれ違える幅だから、と思いっていてもすれ違う瞬間に何があるか分かりません。

 

相手がたまたま石につまずき、こちらを突き落とすようになってしまったら?

相手も山側に体を傾けようとしたけど、結果的に自分にザックが当たってしまったら?

不意打ちで落とされたら、止まれませんよ。

 

ザックの幅は、思いのほかありますからね。

体だけでなく、ザックにも気を配らなければなりません。

山側に体を寄せるときは、横向きでなく前向きの方が良さそうです。

 

自分が歩いていて、前から来た人が谷側に立ち「どうぞ~」なんて言ってくれたら、「お先にどうぞ」と促してあげてください。

自分が落とされるのも勘弁ですが、落としてしまったらと考えると寒気がします。

 

対面ですれ違うときは、お互いの姿が見えているので分かりやすいですが、怖いのが追い抜き。

最近はトレイルランニングしている方もいて、かなりのスピードで追い抜かれることもあります。

体が当たったりすると、本当に怒りを覚えます。

触れるほどの幅の道を黙って追い抜くなら、せめて谷側を歩いてほしい。

それができないなら、数メートル後ろから声かけてほしい。

そうしてくれたら、よけます。私だけの道じゃないから。

 

足音が聞こえる人はいいんです。

静かに抜かれるのが怖い。

ぶつからなさそうでも、存在を知らせてください。

無駄に驚かなくて済みますから。

 

 

絶対のルールではないですが、登り優先といわれています。

山の雑誌などでは「登りは体に負担がかかっているから譲る」という理由のようですが、それ以外にも下りの方が相手を発見しやすいからだと思っています。

登りの目線は、首をぐいっと上げない限り上まで見えていません。

話し声や鈴の音が聞こえてくれば、気づきますが。

下りは進む方向を見ていれば、登ってくる人が視界に自然と入ってきます。

自分が選んだ場所で、ゆっくり待てます。

 

待たれると焦りますよね。

待っている人は、そのとき待ちやすい場所で待つので距離が遠いとなおさら。

「待たせてる!急がなきゃ!」とペースを上げて息が上がり、すれ違った後にゼイゼイ。

 

こうなるのがイヤなので、下りの人が待っていてくれていることに気づいたら

「ありがとうございます。でもお先にどうぞー」

と笑顔で言います。

下りは速いですよ~。

こちらもペースを乱さずに小休止。

呼吸を整えたり、水を飲んだり、飴を口に入れたり。

咲いている花をパチリでもいい。

 

たった数秒のことなんです。

 

自分が待つ側のときは

「ごゆっくりー。私も休憩しているので!」

と伝えます。

 

 

これも絶対のルールではないですが、もうひとつあります。

人数が多い方が譲る、というものです。

1対2、とかではなくもっと多い場合です。

 

ツアーなどで先頭と最後尾に引率者がいると、追い抜きたそうな人に気づいたら最後尾の人が大声で前方に伝えます。

「1人いきまーす」など。

すれ違う場合は、先頭から後ろに向かって伝言ゲームのようになっています。

 

これも自分が登りのときは、プレッシャーに感じることも。

急な坂だとなおさらです。

 

下りのときはありがたく好意を受け取り、登りのときは相手の人数とペースを見てから「ありがとうございます」か「お先にどうぞー」を決めています。

 

お互いが「ありがとう」とすれ違えるのがいいなぁと思います。