登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

テントの花咲く涸沢へ

春、といってもアルプスの山々には、まだ何メートルもの雪が積もっています。

 

今年の5月は行こうかな、どうしようかなと考え始めるのも今頃。

新宿から上高地直通バスの運転が始まると、山の計画をあれこれ考えワクワクします。

 

この夜行バスのおかげで、2日しか休みがなくても槍ヶ岳穂高に行けるのです。

少しの金額の違いですから、空いていれば3列シートのグリーンカーを予約しましょう。

座席が広いですし、リクライニングの角度も全然違います。

金額の差以上の価値がありますよ。

 

 

涸沢へ向かうなら、上高地での時間も満喫していただきたいです。

ステキな場所ですから。

http://www.kamikochi.or.jp/

ピストンで上高地に戻るなら、下山後にゆっくりするのいいですよね。

徳澤園で以前、上空から上高地を眺めたような小さなマップを買いました。

山々の位置関係がよく分かります。

 

バスを下車したあと、用意しておいた朝食をとり、河童橋~明神~徳沢~横尾と続く、

気持のよい道を、木漏れ日を浴びながら歩いていきます。

春は水たまりにカエルがけっこういますねー。

苦手な人はイヤかも。

観光客も多い散歩道ですから、のんびりと歩きましょう。

 

横尾で身支度を整え、お腹がすいていれば何か食べておきます。

丸太が並ぶこの場所も気持ちがよく、ついつい長居してしまいますが…

 

涸沢より上、北穂高岳奥穂高岳へは10本爪以上のアイゼンとピッケルの装備が必要ですが、涸沢までなら軽アイゼンとストックで歩けています。

山小屋のHPでも登山道の情報を更新していますので、自分のレベルと照らし合わせてください。

行ってみて「ここは下れない」と思ったら登るのをやめて引き返せばいいのです。 

誰にでも「初めて」があります。

初めてのことを避けてばかりいたら、いつまでも違う季節の山を歩くことはできません。

少しでも安心して歩くために、夏のシーズンに一度コースを確かめておくのもいいと思います。

 

年々、雪が緩くなるのが早まっている気がします。

1歩進むたびに「ずぼっ」と太ももまで埋まる。

その脚を手で持ち上げる。

次の1歩がまた埋まる…

ずっとではありませんが、これが続くと疲れます。

 

途中で脚が埋まっている体格のいい男性を抜いたのですが、その方が山小屋の受付に到着したのが、私の4時間以上も後でした。

私の倍以上の時間がかかっているのです。

その方はテント泊だったので、ザックの重量も相当なものだったのでしょう。

 

ずぼっと踏み抜いた下が、たとえ足がつかずに浮いていても地面ならいいのですが、雪が積もっている季節は普段の登山道が見えなくなっています。

ありがたいことに、山小屋の方がリボンや赤いスプレーで道を示してくれてはいますが、そこから外れて川の上の雪道を歩いていたら大変ですよね。

踏み抜いて、雪解け水に落ちたら…と思うとぞっとします。

  

f:id:yueguang:20190112220604j:plain

地形的に雪崩の巣です

 真っ白な雪面に、色とりどりのテントが設置されている様子は本当に花のようです。

「テントじゃ寒くて眠れない!」

「テントなんて持っていない!」

という方でも大丈夫。

涸沢ヒュッテと涸沢小屋がGWから営業を開始しています。

   

夜も早朝も、かなり冷え込みます。

真っ白な雪や岩肌が桃色に染まってゆくモルゲンロートをゆっくり眺められるよう、防寒具を忘れずに!